西野七瀬が"受け"の芝居で魅せる女優としての懐の深さ!ゲーム『ポケモン』原案のドラマ「ポケットに冒険をつめこんで」

(C)「ポケットに冒険をつめこんで」製作委員会

西野は、個性豊かな同僚やクライアントと対峙しながら、時に力を合わせ、時にしのぎを削りながら、社会人として成長を遂げるまどかを熱演。どこにでもいる特徴の少ないキャラクターであるまどかの成長を、しっかりとグラデーションで見せている。そのポイントは、彼女の"受け"の芝居の素晴らしさにある。

映像作品はざっくり分けると、「破天荒でパワフルな主人公が、周りを巻き込みながら変えていくタイプ」と、「どこにでもいる"普通"の主人公が、個性豊かな周りの人々に影響を受けながら変わっていくタイプ」に二分される。同ドラマは後者のタイプで、主人公を演じる西野は周りのアクの強いキャラクターたちが仕掛けてくる芝居を"受ける"側。しかも、周りのキャラクターたちは"ポケモン"を模した特徴を持っており、言うなれば"ポケモントレーナー"がまどかで、他の登場人物たちが"ポケモン"という構成のため、周りのキャラクターたちに対して、驚いたり、怒ったり、呆れたり、悩んだり、嘆いたり、本音をぶつけたり、煽ったり、背中を押したり...と、さまざまな感情で"受けて"いる。

この感情表現の豊かさが圧巻。どれもオーバーに演じたり、あえて数の多さで勝負しているというのではなく、とにかく引き出しが多いのだ。相手の個性を消すことなく、七色の感情表現で"受ける"ことで情感溢れるシーンに仕上げており、女優としての懐の深さを感じさせる。そして、懐が深いからこそ、"受ける"側である主人公の成長を、しっかりとグラデーションで表すことができている。

演じることを色で表すなら、赤や青、黄色にオレンジ、場合によっては黒など、さまざまな個性を色付けていく作業だが、それらを"受け"られる白を演じられるというのは強い。有する色の数が多いのも役者として必要だが、白を有することも同じくらい大事で、その白のパターンの多さが役者の懐の深さなのだ。

"ポケモン"ファンなら"ポケモン"の特徴を落とし込んだストーリーに得も言われぬ喜びを感じるだろうし、"ポケモン"を通っていない人でも純粋に人間ドラマとして楽しめるエンターテインメント作品。その屋台骨を支える女優・西野七瀬の"受け"の芝居に注目していただきたい。

文=原田健

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放送情報【スカパー!】

ポケットに冒険をつめこんで
放送日時:2024年7月27日(土)20:15~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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