中島健人のドSっぷりと、恋に揺れる小松菜奈の演技が絶品!映画「黒崎くんの言いなりになんてならない」

中島健人がドSな男子高校生を演じた「黒崎くんの言いなりになんてならない」
中島健人がドSな男子高校生を演じた「黒崎くんの言いなりになんてならない」

(C)「黒崎くんの言いなりになんてならない」製作委員会 (C)マキノ/講談社

その後も、後ろの席から冷たい表情で由宇の髪の毛を引っ張ったり、寮の風呂掃除を恐ろしい表情でやり直させたり、黒崎はドSぶりをいかんなく発揮するのだが、どのシーンも隙のないほどにキャラが立っている。中島の熱演の賜物であり、それがまったくぶれないからこそ、本作は魅力的な作品に仕上がったのだろう。

黒崎は優しい一面も持っていて、寮のお風呂で一騒動あった後、すっぴんの顔を見られるのを嫌がる由宇を「お前はお前だろうが」と励ましたりもする。その後、視線を泳がせる様子にも、黒崎の由宇に対する気持ちが感じられる。また、由宇を後ろから抱きかかえ、一緒にピアノを引くシーンの静かで優しい空気、その時の横顔は、息を飲むほどに素敵だ。本作では演技だけでなく、中島の魅力も存分に味わうことができる。

一方の由宇は、黒崎と白河の間で揺れる気持ちを非常に愛らしく表現している。冒頭で黒崎と会った時は険しい様子だが、憧れている白河に会うと幸せそうな表情となる。昼休みに白河に誘われた時の、魂を抜かれたような雰囲気もまた絶品だ。
黒崎に「誰にでも尻尾振ってんじゃねえよ!」と怒られた時の焦りの表情、友人からメールを受け取った時の嬉しそうな微笑み。物語の中で由宇はさまざまな表情を見せる。物語が進み、自分の中の想いに気づき始めた時にも、由宇はそれを空気や表情の変化で伝えてくれる。秀逸な演技はもちろん、小松が持つ独特の透明感もさまざまなシーンで感じられ、それもまた本作の魅力となっている。

揺れる由宇の想いを軸に、由宇に対して本気になった黒崎と白河の対立、また、親友の芽衣子(高月彩良)の気持ちなど、それぞれの想いが絡み合いながら物語は進んでいく。そしてそれらに決着がつき、ラストで由宇が口にする「黒崎くんの言いなりになんてならない」という言葉と、そこから始まる新たな関係に、きっと多くの人が爽やかで、温かい気持ちになることだろう。ユニークな設定で描かれる青春ラブコメの名作を、中島や小松の熱演と共に心ゆくまで楽しんでほしい。

文=堀慎二郎

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放送情報【スカパー!】

黒崎くんの言いなりになんてならない
放送日時:2024年8月3日(土)14:15~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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