9月8日(日)に日本映画専門チャンネルで放送される、脚本家・三谷幸喜の映画監督デビュー作「ラヂオの時間」(1997年)は、生放送のラジオドラマ制作にまつわるドタバタを描いたコメディー作品だ。テンポのよい展開、絶妙な笑いが小気味よい三谷幸喜の代表作となった。
物語の舞台はラジオ局。生放送前にラジオドラマのリハーサルが行われる中、初めて書いた脚本が採用された主婦・鈴木みやこ(鈴木京香)は緊張しながらその様子を見守っていた。順調かと思われていたが、急に主演女優の千本のっこ(戸田恵子)は名前が気に入らないと言い始める。事を荒立てたくないプロデューサーの牛島龍彦(西村雅彦)は脚本の変更を依頼するが、次々と変更が加えられ、辻褄を合わせているうちに物語は壮大なスケールに。そして本番、生放送中も予想もしない出来事が次々と起こり、番組を成り立たせようとディレクターの工藤学(唐沢寿明)は奔走する。
個性的なキャラクターが織り成す物語の面白さはもちろんのこと、注目を集めたのは豪華キャストの演技合戦。ディレクター・工藤を演じた唐沢寿明や新人脚本家・みやこ役の鈴木京香ほか、西村雅彦(現・西村まさ彦)、戸田恵子、井上順、布施明、細川俊之といった面々が一堂に会してテンポのいい会話劇を繰り広げる。
なかでも冒頭5分間のリハーサルのシーンはワンカット長回しで撮影されており、その完成度の高さは圧巻。俳優の巧みな演技力により一気に物語に引き込まれる。
そんな誰もが主役級の群像劇である本作の主人公は唐沢寿明が演じる工藤。その場しのぎが得意な上司のもとで働くサラリーマンディレクターで、本番前に将棋を指すなど仕事に対しての緊張感は持っていない。ただ、作り手としてのプライドを持ったみやこと接することで次第に自分の中に眠っていたディレクターとしての矜持に気づいていく...。
放送情報【スカパー!】
ラヂオの時間
放送日時:9月8日(日)14:00~ほか
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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