西野七瀬がひたむきで「普通」な銀行員を好演!「連続ドラマW シャイロックの子供たち」で「可憐さ」と「はかなさ」を巧みにミルフィーユした演技構成を披露

そんな"普通"の愛理が、本店も巻き込む現金100万円紛失という大きな事件の容疑を掛けられるのだが、西野の可憐ではかなさあふれる役作りが秀逸。家計を支えながらぜい沢はせず、恋人に心配させないよう気遣いを忘れず、休憩時間はキャリアアップのための勉強にいそしんでいる...非の打ち所がない女性像を"可憐さ"で構築することで、「金に余裕がない」という理由で早計に犯人扱いする周りの人間的な悪質さや疑われた愛理の悲壮感を、より際立たせている。

西木に助けられて疑いが晴れた後、真犯人を見つけるために動く西木をサポートするが、一度疑われた身であるため積極的には関わらないまでも、献身的に西木を手伝う姿を繊細に表現している。終業後、犯人探しに精を出す西木に声を掛けたり、事件の真相に迫る動きに手を貸すなど、寄り添うようにサポートするそのはかなげな関わり方が愛理らしさを保つと共に、作品の緊迫感をより増長させている。

この"可憐さ"や"はかなさ"というものは、淡い色を塗り重ねて表現する水彩画のようなもの。西野はどの場面、どのカットでも、セリフ一つ、リアクション一つとっても繊細に演じてミルフィーユのごとく重ねていき、終始可憐ではかなげな愛理を演じ切っている。そんな演技構成で、主演をそっと支える助演としての仕事を全うしているからこそ、彼女の演技力が評価されている。

池井戸作品らしい魅力溢れるハラハラドキドキの展開を楽しみながら、西野が"可憐さ"と"はかなさ"をまとった演技で作品に与えたものに注目していただくと、より作品の深みにハマれること請け合いだ。

文=原田健

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放送情報【スカパー!】

連続ドラマW シャイロックの子供たち
放送日時: 9月14日(土)0:00~
放送チャンネル: WOWOWプライム
※全5話一挙放送
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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