窪田正孝が狂気に侵される青年を演じた、映画「初恋」(2019年)

鬼才・三池崇史監督が窪田正孝とタッグを組んだ映画「初恋」(2019年)は、その甘酸っぱいタイトルからは想像もできないほどに強烈なバイオレンス臭が立ち込めるジャパニーズ・ノワールだ。2019年の第72回カンヌ国際映画祭の「監督週間」に選出され30以上の映画祭で絶賛された本作で、主演の窪田正孝は天涯孤独なボクサー役を演じている。

ヒロイン・モニカ(小西桜子)と電車で隣り合うレオ(窪田正孝)
ヒロイン・モニカ(小西桜子)と電車で隣り合うレオ(窪田正孝)

(C)2020「初恋」製作委員会

■アウトローな雰囲気と肉体美に釘付け

窪田演じる天才ボクサー・葛城レオは、類まれなる才能を持つ一方、生まれてすぐに捨てられて親の顔も知らないという悲しい過去を持つ人物だ。黙々とトレーニングをこなし、試合で相手を打ちのめしても顔色一つ変えない彼の姿には、冷淡というよりも感情そのものの動きが完全に止まっているという言い方がふさわしい。自分にはボクシングしかなく、拳にすべてを込めるというレオのやるせない生き方を、窪田はリアルな息遣いをもって演じている。

孤独な青年としての生き方だけでなく、現役ボクサーを相手にしてのファイトシーンや、トレーニングのシーンで見せる鍛え上げられた肉体美も注目のポイントだ。本作で初のボクサー役を務めた窪田は、その後も映画「ある男」(2022年)と「春に散る」(2023年)でもボクサー役を好演。「春に散る」では孤高の世界チャンピオン役に扮しており、「初恋」との違いを見るという楽しみ方もできそうだ。

■普通の青年を侵食する"凶気"

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放送情報【スカパー!】

初恋(2019)
放送日時:9月8日(日)14:45~
放送チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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