――同じ作品ではありますが、役所さんと内野さんのやりとりを見ると、同じ俳優さんとして昂るものがあるのでしょうか?
土屋「いいやりとりを見るとゾワゾワしませんか?」
栗山「うんうん!」
土屋「『うわ〜。なんで私もここにいなかったんだろう?』って(笑)」
栗山「特に今回は撮影でご一緒する機会がない役どころでもあったので、悔しさもあるというか。『その空気感も味わってみたかったな』と思いました」
――過去にご共演経験がある栗山さんと土屋さん。お互いの印象について教えてください。
土屋「(栗山が出演した)『六番目の小夜子』を拝見していましたので...」
栗山「懐かしい〜。ありがとうございます」
土屋「私としてはとても嬉しいんです。『一緒に取材を受けさせていただく機会があるなんて』と感動していますね。栗山さんの雰囲気だから楽しくさせていただけるし、とても素晴らしい方だなと思っています」
栗山「とんでもないです...。太鳳ちゃんはお会いしたときから可愛らしくて、優しい空気感を持っていて、みんながハッピーになれるお人柄です。前にご一緒したのが10年ほど前だったと思うんですけど、お変わりない一方、役柄ではカッコ良くアクションをされることもあって。本当に幅広い女優さんで素敵だなと思っています」
土屋「(感動して)う〜! ありがとうございます〜」
――(笑)。馬琴が28年続けて「八犬伝」を書き続けたように、お二人が長年続けているものがあれば教えてください。
栗山「このお仕事ですかね。5歳のときに芸能事務所に入ったので、35年ぐらいになります」
――演技の面白さは増していくものなのですか?
栗山「私は波がありますかね。10代は無邪気にさせていただいた部分もありましたが、与えていただいた役柄をまっとうするぞ、と向き合い方が変わっていくなかで、面白さも変わっていった気はします。やればやるほど自分に期待してしまうときもあるので、『そういう気持ちは捨てなきゃな』と思うときもありますね」
――土屋さんはいかがですか?
土屋「ストレッチは毎日欠かさず行っています」
――やはり続けることで変わるものですか?
土屋「全然変わります。股関節ひとつちゃんとやるだけで、上半身の動き方が変わるんです。大きい関節をしっかり動かして、まずは大きい筋肉をストレッチさせていくのが大事だなと思っています」
栗山「表現者として素晴らしいですね」
土屋「いやいや。そんなことないです」
――八犬士のなかから「推し」を探すのも本作の楽しみ方のひとつです。お二人が最近推しているものはありますか?
栗山「八房(伏姫の愛犬)ですかね。本編では一部怖い描写もありますけど、ぬいぐるみになると愛着が湧いてすごく可愛いんです。今回の宣伝をさせていただくときも、ぬいぐるみがいつも来てくれるんですよ。あの子がいるだけでも癒されます」
土屋「可愛いですよね!」
――土屋さんはいかがですか?
土屋「私は弟(土屋神葉)です。弟は声優をやっているのですが、声のお芝居、朗読劇、舞台を観ると『ヤバいぞ。自分!』と刺激をもらえます」
栗山「いいライバルになっているんですね」
土屋「そうですね。引き続き可愛がろうと思います(笑)」
取材・文=浜瀬将樹 撮影=MISUMI
映画情報
映画『八犬伝』
全国劇場にて公開中
監督:曽利文彦
出演者:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、栗山千明、渡邊圭祐、寺島しのぶほか
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