中澤達也のコミカルな演技が「日本統一外伝 藤代組 雨のオランダ坂」に与えたもの

11月2日(土)に日本映画専門チャンネルでテレビ初放送される「日本統一外伝 藤代組 雨のオランダ坂」では、山崎一門きってのアイドルオタク、川上章介(中澤達也)の物語を描いており、フィクションでありながらも現実の社会問題とリンクするようなストーリーが展開されるのだが、重いテーマの中にもしっかりと"笑い"の要素が潤沢に取り入れられており、"日本統一らしさ"が楽しめるものになっている。

石沢(本田広登)の制止を振り切り、氷室組事務所に駆け込んだ山村(川崎健太 ※崎は立つ崎)は、驚く氷室(本宮)と川上に「今すぐテレビを見せてくれ」と懇願する。そこまでして山村が観たかったものは、愛してやまないアニメ「マジカル美少女アップルちゃん」の特別番組だった。その番組では、アイドルグループ「オランダ坂47」の丘野さおり(東原優希)とジャミーズの日景翔児(赤羽流河)が劇場版の声優を務めることが発表される。すると突然、一緒にテレビを観ていた川上がジャミーズに異常に反応して怒り狂う、というストーリー。

川上は過去にジャミーズジュニアのオーディションを受けており、そこで遭った被害によって人生を変えられていたというエピソードが明かされる展開で、芸能界の権力者による性加害問題という重いテーマが核となっているのだが、ジョークを交えたストーリー展開と役者陣の"三枚目感"がスパイスとなり、メッセージ性のある見やすいエンタメ作品に仕上がっている。

特に、川上を演じる中澤の熱演がたまらない。アイドルを目指していた時期の回想シーンや「ゴルゴ13」をオマージュしたシーンなど、一見ふざけているように見えるのだが本人は至って真面目なところが、そこはかとない面白味を加えて"日本統一らしさ"を付与している。

コミカルな演技は、ふざけ過ぎても、ふざけなさ過ぎても、"笑い"にはつながらないため、"いい塩梅"が求められるものだが、中澤は不器用な川上を器用に演じて、作品の主旋律をけん引。重いテーマのストーリーを軽妙に見せて、見事なエンタメ作品に昇華させる中澤のコミカルな演技に注目してほしい。

文=原田健

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放送情報【スカパー!】

日本統一外伝 藤代組 雨のオランダ坂
放送日時:11月2日(土)22:00~ほか
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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