平手友梨奈はアイドルとしてダンスでも振り切ったパフォーマンスを見せてきたが、俳優としてもキレキレの演技が特徴。その目ヂカラの強さを活かし、ちょっと危険な言動をするアナーキーな役を演じてきた。映画「響」や「さんかく窓の外側は夜」での演技はインパクトも強かったが、この葵役では、そんな暴走しかねない危険な魅力もありつつ、新に恋をし、彼のために全力を尽くす可愛らしさも見せる。いくつかのシーンで新と見つめ合い、胸がトゥンク...と鳴っているような、"てち"(平手の愛称)には珍しい乙女な表情が新鮮だ。
そんな葵とパーフェクト美人の優香が新をめぐって火花を散らすのも「梨泰院クラス」と同様。新は、なかなか恋人にはなれない優香を追い求め続けるのか、それとも年下ながら果敢にアタックしてくる葵に気持ちが傾くのか...そんなラブ線の展開も楽しめる。韓国版の爆笑シーンである"キスのブロック"は、日本版でもアリ。
"もうひとりの主役"である街の設定は、韓国版がソウルの梨泰院なら、日本版は東京の三宿や下北沢の方が若い世代が飲みに集まる街ということでイメージに近いが、新が店を構えるのは六本木。と言っても、六本木ヒルズやミッドタウンのような高層ビル街ではなく、ちょっと裏通りに入ったハイセンスな店が並ぶところ。「なるほど、あの場所なら」と納得できる設定となった。もともとコミックの日本版でも六本木が選ばれていたというのも、頷ける。
その六本木という繁華街で大がかりなロケを行っているのも、本作の見どころ。六本木ヒルズに本社を置くテレビ朝日が制作しただけに、2020年代の六本木をリアルに、美しく、キラキラと輝くように映し出している。
文=小田慶子
放送情報【スカパー!】
六本木クラス
放送日時:2024年12月11日(水)20:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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