山田涼介が覗かせる狂気的な表情も...姉弟バディを組んだ安藤サクラとの抜群の相性を感じさせる「BAD LANDS バンド・ランズ」
- 俳優・女優
- 2024.12.27
名匠・是枝裕和監督の代表作「万引き家族」(2018年)や「怪物」(2023年)でも並外れた存在感を放ち、日本を代表する実力派女優として活躍する安藤サクラ。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞・助演女優賞を度々受賞するなど日本映画界を牽引する彼女が、特殊詐欺の世界に身を置くヒロインを演じたのが、2023年9月に劇場公開された映画「BAD LANDS バンド・ランズ」だ。
人間を突き動かす欲望を鋭く描いてきた直木賞作家・黒川博行の小説「勁草」を原作に、そのヒリヒリするような世界観を見事にスクリーンに蘇らせた本作は、「燃えよ剣」(2021年)や「ヘルドッグス」(2022年)の名匠・原田眞人が監督・脚本・プロデュースを務めた。
安藤が演じるのは、大阪の片隅で特殊詐欺を生業とする橋岡煉梨(ネリ)。山田涼介は刑務所から出所したばかりの弟・矢代穣(ジョー)を演じる。ある夜、思いがけず3億円を超える大金を手にしたことから、2人は闇社会ばかりか警察からも標的とされてしまい、決死の戦いに巻き込まれていくことになる。
詐欺グループの受け子のリーダーを担う一方で、元ヤクザや特殊詐欺の受け子などが暮らす大阪・西成の住人たちを温かい目で見守り、世話しているネリ。壮絶な過去を背負い、社会の底辺で生き延びてきた一筋縄ではいかないキャラクターを、安藤は凄みのある芝居で魅せる。
東京出身の安藤がまくしたてる"コテコテ"の関西弁が違和感ないことにも圧倒され、さらに、ブチ切れる迫力やアクションの瞬発力&爆発力にも引き込まれていく。ドライなようで、ふと見せる表情にはネリの優しさが滲み、壮絶な裏社会を度胸としたたかさで生き抜く姿が爽快だ。何物にも屈しない芯の強いヒロイン像――その余韻が鑑賞後もしばらく脳裏から離れない。
「燃えよ剣」(2021年)以来の原田作品となる山田涼介は、Hey! Say! JUMPで見せるアイドルの姿とは似ても似つかぬ豹変ぶりが鮮烈だ。恵まれない生育環境ゆえのガラの悪さや、時にクスッと笑ってしまうようなおバカな言動を見せるジョーを完璧に自分のものにしていて、トラブルメーカーのポジションを十分な存在感で演じる。屈託ない笑顔を見せたかと思えば、これまで見たことのないような狂気的な表情も。特殊詐欺に手を染めることでしか生きていけない危うい役どころで新境地を開拓している。
放送情報【スカパー!】
BAD LANDS バッド・ランズ
放送日時:2024年12月29日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
放送日時:2025年1月6日(月)20:30~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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