有名すぎる原作小説の見事な2次元化。岡田准一鈴木亮平山田涼介が新選組の人気キャラクターを演じる映画『燃えよ剣』

2019年に撮影され2021年に公開された岡田准一主演の『燃えよ剣』は、誤解を恐れずに言えば、司馬遼太郎作の同名小説の見事な"2次元化"映画だ(司馬遼太郎の「遼」は正しくは2点しんにょう)。「燃えよ剣」「新選組血風録」と言えば、「竜馬がゆく」に並ぶ司馬の幕末歴史小説。新選組の"鬼の副長"土方歳三のイメージを決定づけた作品で、刊行された1960年代以降、多くの人が読んでは「土方のように己の道を貫きたい」と熱狂してきた。そんな名作が岡田と『関ヶ原』(2017年)で組んだ原田眞人監督の手によって映画化された。時代劇専門チャンネルでは11月26日(土)にTV初放送される。

原田監督も「司馬人類学講座を半世紀にわたって学んだ生徒」と自負する原作ファン。それだけに完成した映画は、「燃えよ剣」を文庫本がボロボロになるまで愛読していたような人のツボを押さえた場面が詰まっている。ストーリーは、戊辰戦争時、函館で最後の一戦に挑もうとしている土方(岡田)が新選組の始まりから終わりまでを振り返って語る形で進む。まず、江戸近郊、武州の田舎でバラガキと呼ばれていた頃の若き土方たちが登場し、府中の「くらやみ祭り」など、原作小説の印象的な場面が登場。土方と近藤勇(鈴木亮平)の腹を割った親友ぶりや、土方と沖田総司(山田涼介)の微笑ましいやりとりは小説のイメージそのものだ。

土方たちは天然理心流の道場・試衛館の仲間と共に京に上り、京都守護職となった会津藩とコネクションを築いて、新選組を立ち上げる。水戸浪士で新選組初期の局長・芹沢鴨(伊藤英明)一派との対立から、血を血で洗う戦いになった池田屋事件、その後の鳥羽伏見の戦いまで、新選組ものなら外せない場面を、歴史的建造物でロケをしたり大型セットを建てたりし、スケール感のある映像で撮り上げた。

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放送情報

燃えよ剣(主演:岡田准一)
放送日時:2022年11月26日(土)19:00~ほか
チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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