鈴木亮平が人間味たっぷりな野球部顧問を好演!弱小高校野球部の再建を描く「下剋上球児」

(C)TBSスパークル/TBS

本作の舞台は、10年連続で県大会初戦敗退している三重県立越山(えつざん)高校。南雲が校長の丹羽(小泉孝太郎)と定年間近の横田(生瀬勝久)から「野球部の顧問をやってもらえないか」と頼まれた時には、部員は3年生の日沖誠(菅生新樹)以外は幽霊部員だった。野球部の顧問になることをなぜか頑なに断る南雲だったが、そんな南雲がかつて野球部の主将だったことを調べ、「監督になってほしい」と説得するのが山住。それでも首を縦に振らない南雲だったが、地元の大地主・犬塚(小日向文世)が孫の翔(中沢元紀)のためにグラウンドを作り、強引に練習試合を決めてきたこともあり、山住と共に選手を集め、「3年生が引退するまで」という条件付きで監督を引き受けることにする。「野球は勝ってなんぼ」だと主張する山住と、「楽しくやり続けてなんぼ」だという考えの南雲は対照的で、山住曰く"仏の南雲と鬼の山住"。

ノンフィクション作品の原作と異なるのは、南雲が秘密とコンプレックスを抱えて生きてきた男として描かれていることだ。もっと言えば、野球ドラマの主人公の監督がこんなに暗い性格なのは前代未聞かもしれない。しかし、だからこそ南雲は、バイトをしながら遠方から通う部員・根室(兵頭功海)を放っておけなかったり、日沖の弟・壮麿(小林虎之介)が問題を起こしたと聞いたら奔走したりと、人に寄り添う一面を持っている。弱小とバカにされ、コンプレックスを抱えている選手たちが成長していくのも、決して上から目線にならず、リラックスさせて励ます南雲だから。爽やかな笑顔も魅力的な鈴木だからこそ、人間味溢れる演技が沁みてくる。

■高校野球とヒューマンドラマの感動がバランスよくクロス

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半年にもわたる演技と野球の実技オーディションを経て選ばれた俳優たちが選手を演じているのも本作のポイント。小林や中沢など多くの新世代人気俳優を輩出している。選手たちが甲子園を目指すチームとして成長していくさまや、アニメーションを混じえた試合のシーンも長尺でわかりやすく、しっかりと伝え、南雲一家のドラマや高校時代の恩師である監督・賀門(松平健)との関係も丁寧に描き出す。回を重ねるごとに視聴者を感涙させ、野球を通じて"人生下剋上エール"を送った本作。"仏の南雲"が、物語が進むにつれて熱血になっていく過程をリアルに表現した鈴木の芝居にも、爽快な気持ちにさせられる。

文=山本弘子

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放送情報【スカパー!】

下剋上球児
放送日時:2025年1月19日(日)11:00~ 全話一挙放送
チャンネル:TBSチャンネル2
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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