NMB48の中心メンバーとして活動する一方でバラエティでも人気を博し、ドラマ「だが、情熱はある」(2023年)で連続ドラマ初出演を果たした渋谷凪咲。オードリー・若林正恭と南海キャンディーズ・山里亮太の半生を描いた同作では、山里が恋する女性役を好演。2023年12月にNMB48を卒業した後も、女優としてさらに活躍の場を広げている。

今年はヒューマン・ラブサスペンス「私の知らない私」、愛憎渦巻く復讐劇「地獄の果てまで連れていく」、昭和の名作家・山崎豊子生誕100年記念ドラマ「花のれん」など、話題のドラマへの出演が相次いでいる。そんな女優としての才能を開花させつつある渋谷の映画初主演作が「あのコはだぁれ？」(2024年)だ。

映画「あのコはだぁれ？」荒木飛羽インタビュー

4月26日(土)にＷＯＷＯＷシネマで放送される本作。監督は、ホラー映画の最前線を走り続ける清水崇が務めた。「呪怨」シリーズを手掛け、ハリウッドリメイク版として世界中で公開された「THE JUON／呪怨」(2004年)が日本人監督として初めて全米興行収入1位を獲得するなど、Jホラーを牽引し続けてきた。

本作は、呪いのメロディーを題材にした前作「ミンナのウタ」(2023年)のキャラクターや設定が一部引き継がれた学園ホラーとなっている。夏休みに中学校の臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのか。しかし、ある女子生徒が突如屋上から飛び降り、不可解な死を遂げてしまう。いないはずの生徒の謎に気がついたほのかは、補習を受ける生徒の三浦瞳や前川タケルらと共に、生徒たちの間で囁かれる"あのコ"にまつわる衝撃の事実にたどり着く。

渋谷が演じたのは、恐怖に巻き込まれていく臨時教師・ほのか。恋人の悠馬が事故に遭う現場を目撃するという衝撃的なシーンから始まり、物語には不穏な雰囲気が漂う。ほのかは意識が戻らない恋人を心配し、悲しみやショックを隠して献身的に支えている中で、臨時教師として補習を担当することになるが、生徒が屋上から飛び降りるという事件まで起きてしまう...。

そして、迎えが来ない生徒を家に送った先で、不可解な現象に襲われる。迫り来る恐怖に対する反応は、本当に怯えているようだ。恋人を思う健気な姿、真相に近づいていく真剣な表情、少しずつ募っていく不安も理不尽な仕打ちへの怒りや悲しみも繊細に表現した。本作が映画初主演となったが、愛らしい笑顔を絶やさないパブリックなイメージとは異なる、多彩な顔を披露した。