柳井家は、海外赴任時代に病死し、物語開始時にはすでに故人となっている父・清役で二宮和也が連続テレビ小説初出演。文学や絵に造詣が深いキャラクターで、丸メガネにセンター分けという昭和なスタイルは放送前から話題を集めていた。

早くして夫を亡くした美しく勝ち気で利発な母・登美子役には松嶋菜々子。柳井診療所の院長をつとめる町医者で、嵩と弟・千尋(中沢元紀)の育ての親となる伯父・寛役の竹野内豊。阿部サダヲ演じるパン職人・草吉といった両家を取り巻く人々まで、錚々たる顔ぶれが集結している。

また、著名人を題材とした朝ドラといえばその人物の交友録も見どころで、「あんぱん」でもやなせたかしが作詞した「手のひらを太陽に」の作曲家・いずみたくをモデルにした人物が登場。Mrs. GREEN APPLEのボーカル・大森元貴がこのいせたくや役に抜擢されており、貴重な演技や名曲誕生の裏側も気になるところだ。

「アンパンマンのマーチ」の歌詞を引用しながら、やなせたかしと彼を支えた妻・暢の人生を、"愛と勇気"の物語として再構築していく「あんぱん」。これから半年間にわたり、豪華キャストによってどのような人間模様が積み上げられていくのか、じっくりと楽しんでいきたい。

文＝HOMINIS編集部