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現代の特撮ヒーロー作品との差を埋める、誠直也、宮内洋ら役者陣の演技が与えるもの。映画「秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン!」

俳優

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(C)石森プロ・東映

そんな彼らの経験に裏打ちされた熟練された演技が、筆舌しがたいほどにリアリティーを生んでいる。それは、今観ても、現代の"スーパー戦隊シリーズ"と比べて遜色ないほど。当たり前だが、現代の"スーパー戦隊シリーズ"とは違ってCGなどは一切なく、使用しているのは爆薬などの"特効"と呼ばれる特殊効果だけで、あとはカメラワークと画角を駆使して臨場感を創出しており、ミニチュアをアップの画角で撮影することで大きく錯覚させる手法を用いていたり、激しいカット割りを用いてスピード感を出したりと、演出に注視すると「アナログで、ここまでできるのか...」と驚かされてしまうほど工夫が凝らされていることに気付くのだが、映像技術的な点を現代と比べるとやはり分が悪い。しかし、その後塵に拝した部分を、役者陣の演技力が補っている。

例えば、ヒーローとして存在感。当時20代後半という若さながら説得力のある重厚な演技は「地球を守っている」という重責とのバランスがとれているし、アクションにおいてもバタついていない。現在の"スーパー戦隊シリーズ"の"軽やかさ"や"若々しさ""親近感を抱かせる距離感""ポップさ"といった魅力とはまた違った、草創期ならではの"リアルとのフィット感"という存在感がある。これは、キャラクターの一挙手一投足にもにじみ出ており、存在感が堂々とした立ち回りに良い影響を与えており、それが芝居の説得力につながるという好循環を生んでいる。

「特撮ドラマ」という独自の進化を遂げたジャンルとして確立した現代とは違い、ドラマ色が強いが故のリアリティーが、進化の幅を超越して本当に面白い。そのキーポイントとなる誠、宮内ら役者陣の演技が与えているものに注目してみてほしい。

文=原田健

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放送情報【スカパー!】

秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン
放送日時:4月5日(土) 17:00~
放送チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくは
こちら

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