今や出会いのツールの大本命となった"マッチングアプリ"。「ミッドナイトスワン」(2020年)で高い評価を得た内田英治が原作・脚本・監督を務めた映画「マッチング」(2024年)は、出会いの裏に隠された恐怖と真実に震えると共に、土屋太鳳＆佐久間大介の新たな表情を堪能できるサスペンス・スリラーとなっている。

5月10日(土)にＷＯＷＯＷシネマで放送される本作の主人公となるのは、ウェディングプランナーとして仕事が充実している一方、恋愛に奥手な輪花(土屋)。マッチングした相手の吐夢(佐久間)と待ち合わせると、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男。吐夢に出会ってから「次いつ会えますか？」と輪花のスマホの通知が鳴りやまず、恐怖を感じた輪花は、取引先でマッチングアプリ運営会社のプログラマー影山(金子ノブアキ)に助けを求めることに。同じ頃、"アプリ婚"した夫婦が惨殺される悲惨な事件が連続して発生し、世間を騒がせていた。

次々と話題作への出演を重ね、幅広い演技を見せている土屋が、本作ではバリバリと仕事に精を出しながらも、ある日ストーカーに追われて次第に想像を絶する恐怖へと巻き込まれていく女性を熱演。追い詰められていく道のりでは、戦慄、号泣、絶叫、バトルなど、感情を爆発させるような場面が満載だ。

ドラマ「海に眠るダイヤモンド」(2024年)や、今年9月に配信を控えるNetflixシリーズ「今際の国のアリス」シーズン3など、繊細な心を抱えながらもそこから湧き上がってくる力強さを光として表現できるのが、俳優としての土屋の大きな魅力。何度も驚くべきことが襲い掛かり、崖っぷちに立ち続ける女性を演じた本作でも、彼女の真骨頂を目撃できる。苦しみをパワーに変えた輪花が戦いに挑むシーンは、えもいわれぬ興奮と美しさを感じられるはずだ。