『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』で大地真央が見つめたコシノアヤコの強さと優しさ「一歩踏み出せば、人生は変わる」

俳優

3
「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」
「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」

(C)「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」製作委員会

――アヤコさんの"おばちゃんらしさ"も本作の大きな魅力の一つかと思います

「関西のおばちゃんといえば、明るくて面倒見がよくて、ちょっとおせっかいだけど愛情深い。アヤコさんもまさにそういう方だったのではないでしょうか。ただ、その"明るさ"の裏には、戦中戦後の苦しい時代を乗り越えてきた強さと知恵がありました。三姉妹を育てながら、職業婦人としても自立し、一家の大黒柱を務めている。自ら道を切り開いていく姿には、女性として本当に尊敬の念を抱きます」

――特に印象に残ったアヤコさんの言葉はありますか?

「たくさんありますが、やはり『年を取るということは、奇跡を起こす資格をもらえること』というセリフでしょうか。本当に素敵な言葉だと思います。74歳でご自身のブランドを立ち上げるなんて、常識では考えにくいことかもしれません。でもアヤコさんは、何かを始めるのに遅すぎるなんてことはないと、思い立ったら、すぐ行動する方だったんですね。その姿勢に、私自身も強く励まされました」

「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」
「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」

(C)「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」製作委員会

――この映画は、若い世代にもきっと響くのではないでしょうか

「そう願っています。今は失敗することを恐れたり、何か始める前に"無理"だと決めつけてしまったりする人も多いように感じます。でも、アヤコさんの生き方から学べるのは、向こう岸に渡ってみなければ、わからないということ。まずは一歩踏み出してみる。その勇気が、新しい世界を開いてくれるのだと思います」

――アヤコさんの人生を演じ終えて、あらためて感じたことはありますか?

「お会いしたことのない方ですが、書籍や資料、そしてアヤコさんをよく知る方々のお話から受け取った印象は、"愛にあふれた人"でした。子育てはほったらかしだったとご本人はおっしゃっていても、心の底ではいつも子どもたちのことを想っていらしたのだと思います。そして、強いだけではなく、乙女心も忘れない。そんな女性に、私もなれたらいいなと。演じることを通して、こんな人生って本当に素敵だなと感じさせていただきました」

――最後に、映画『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』の見どころを教えてください

「120分という限られた時間のなかで、一人の女性の生涯を描いているので、どこがと言わずに、すべてを観ていただきたいです。テンポ感もあり、クスッと笑えるところもあり、思わず涙する場面もあり、音楽も素晴らしい。そして共演の皆さんが本当に素敵なんです。きっと観てくださる皆さんの心にも、何かしら残るメッセージがあると思います。人生に迷ったとき、立ち止まったとき、ふと背中を押してくれる。そんな映画になっていたら嬉しいです」

取材・文=川崎龍也

この記事の全ての画像を見る
  1. 1
  2. 2
  1. 1
  2. 2

映画情報

映画『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』
公開中

「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」

(C)「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」製作委員会

詳しくは
こちら

Person

関連人物