2025年度後期連続テレビ小説「ばけばけ」が、今秋から放送される。明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・セツをモデルにした作品となるが、およそ3000人が参加したオーディションでヒロインには高石あかり(※「高」は正しくは「はしご高」)が選ばれた。

小さい頃から朝ドラヒロインになることが夢だったと言う高石。昨年は「スマホを落としただけなのに ～最終章～ ファイナル ハッキング ゲーム」や「私にふさわしいホテル」など話題の映画に出演。今年も生徒の一人として出演したドラマ「御上先生」や映画「遺書、公開。」のほか、単独初主演を務めた映画「ゴーストキラー」が公開したばかり。2019年から俳優活動を本格スタートさせ、近年目覚ましい活躍を見せている。

高石あかり、『ゴーストキラー』で挑んだ演技の限界と向き合う覚悟「自分の中でしか生まれない"何か"があった」

注目の若手俳優となった彼女を語るうえで欠かせない作品が、5月23日(金)にＷＯＷＯＷシネマで一挙放送される「ベイビーわるきゅーれ」シリーズだ。海外からも一目置かれる女性スタントパフォーマー・伊澤彩織と共にW主演を務め、2021年に公開された第1弾が高石の大躍進のきっかけとなった。

本シリーズは、社会不適合者な殺し屋コンビ・杉本ちさとと深川まひろを主人公に、ゆるい日常と本格派アクションが繰り広げられる異色の青春映画。第1作では、2人は高校を卒業するため組織の寮から追い出され、表の顔として仕事を持つように命じられる。突然社会に適合しなければならなくなり、アパートでルームシェアをしながら普通の暮らしを始めるも悪戦苦闘。やがて殺し屋の仕事を通じて、あるヤクザから恨みを買って面倒なことに巻き込まれる...というストーリーが展開する。

ヒットガール系アクションコメディは国内外の映画祭でも絶賛され、第2作「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」(2023年)も製作された。本作では、新キャラクターとして殺し屋協会のアルバイトである兄弟も登場。銀行強盗に巻き込まれたり着ぐるみのバイトに奮闘したり、ちさととまひろは引き続き低収入に悩みつつ日々を送っていた。しかし、彼女たちのポストを奪って正規クルーに昇格しようと目論む兄弟に襲撃される。一度は彼らを追い返すも、全力を挙げて再び対決する事態に。相変わらずのゆるさだが、前作以上のアクションと絶妙なコンビネーションを見せる。

そして昨年秋にシリーズ第3作「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」(2024年)が公開された。低予算映画でありながら唯一無二の世界観で熱狂的なファンを生んだ本シリーズだが、第3作では大幅にスケールアップ。舞台となる宮崎県でロケを敢行し、史上最強の殺し屋との激しい戦いを展開する。

出張先に到着して早々ミッションをこなし、バカンス気分を満喫する2人。そんな中、任務のためにターゲットがいる宮崎県庁に向かうが、同じ人物を狙う一匹狼の殺し屋・冬村と鉢合わせする。

本シリーズで高石が演じているのは、主人公の一人であるちさと。明るく素直で天真爛漫なちさとは、初対面でもすぐに仲良くなれる"陽"なキャラクターだ。コミュニケーションの苦手な相棒と比べれば、面接もバイトもそつなくこなす。可愛らしい笑顔と今時の若者らしいノリを持ち合わせるが、どこか達観している面も。まひろとは時々喧嘩もしつつ、アドリブかと思うほどリアリティのある自然な会話を繰り広げながら、ゆるい日常を送っている。