第3作では、池松壮亮演じる"史上最強の敵"冬村を前に、2人は絶体絶命のピンチに陥る。相棒を失うかもしれない恐怖を感じ、不安そうに瞳が揺れる。チームを組んで冬村に立ち向かうことになるが、前田敦子演じるお局キャラの先輩に子どもっぽく反発したり、初めてのビールやフォーマルな服装にはしゃいでみたり、多彩な表情を見せる。

落ち込んで弱気になるまひろに寄り添う男前な姿や、圧倒的な強さを誇る冬村に対峙する決死の面持ちとのギャップもいい。シリーズを通して精神的な成長も感じさせる。また、2人の仲の良さと息の合ったコンビネーションは健在。出張先で観光を楽しむモラトリアムな日常のオフビート感、息つく間もない本格派アクションで魅せる。

今回、シリーズ誕生のきっかけとなったバイオレンスアクション映画「ある用務員」(2020年)、撮影の舞台裏を追ったメイキングドキュメンタリー「ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ」(2024年)も合わせて放送される。5月2日(金)にＷＯＷＯＷシネマで放送される長編アニメーション「きみの色」(2024年)では、主要キャラクターの一人として声優にも挑戦しているなど、俳優として多彩な顔を見せる高石。放送を通じて、彼女の目覚ましい成長の過程に注目したい。

文＝中川菜都美