内野聖陽が演じるのは存在感120%の坂本龍馬!自由で豪快、熱い幕末の志士を好演したドラマ「JIN−仁−」

俳優

26

「JIN-仁-」(C)「JINー仁ー」村上もとか/集英社

龍馬と仁の出会いは第1話、仁が現代に戻るために崖から飛び降りようとする場面だ。身投げと勘違いした龍馬が仁を止めるのだが、「あほが!」を連呼しながらもその声には心配そうな響きがこもっているし、誤解とわかって大笑いしたりもする。

町で娘が馬に蹴られた時には、龍馬が戸板を持って必死の形相で駆けつけるし、手術のための道具を取りに行く時に籠を追い抜くシーンは気迫たっぷりだ。そういったシーンからは、龍馬が豪快に感情を表現する、真っすぐな男であることが伝わってくる。

物語が進んで仁と懇意になるに従い、龍馬は熱い一面も見せる。例えば第6話では、西洋医学所で起こった問題の責を負った仁に、今にも泣き出しそうな様子で「わしゃ心配なんぜよ!」と語りかける。内野が演じる龍馬は総じて、自由奔放で豪放磊落、ひょうきんな面と熱い情を併せ持つ男なのだ。

坂本龍馬は歴史上の実在の人物であり、多くの人がそれに基づいたイメージを持っていると思うが、内野の龍馬はそこから外れることなく、そればかりか、さらに多くの魅力に満ちた人物として物語の中で躍動している。第3話で仁が「これが、あの龍馬か」と呟くシーンがあるが、そのセリフが十二分に納得できる人物となっているのだ。

■幕末の志士としての龍馬の苦悩と活躍も熱く演じる

「JIN-仁-完結編」(C)「JINー仁ー」村上もとか/集英社

仁と関わるシーンだけでなく、幕末の志士としての龍馬が描き出されるシーンも数多くある。物語の当初、脱藩して江戸に来ていた龍馬は、国のために働きたいと願うも自らの道を見つけられずにいる。倒幕を企む武士たちとの会合のシーンで、目を伏せ押し黙る姿には、そんな雰囲気が滲んでいる。しかし第3話の勝海舟(小日向文世)との対面シーンでは、真剣なまなざしで勝の話を聞き、突然白刃を畳に突き立てる。そして勝の弟子になりたいと申し出、熱に満ちた表情を見せるのだ。

幕末の江戸にタイムスリップした仁を支える人物として、また史実の人物としての龍馬を印象的に演じた内野の演技力、そこから生まれる存在感はさすがで、内野が本作で第63回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の助演男優賞を受賞したのも納得だ。

物語は、仁はなぜ過去に来たのか、どうすれば元の時代に戻れるのか、自分が治療することで歴史が変わってしまうのではないかといった謎を含みつつ、コレラの患者や火事による被災者の治療、また、龍馬の暗殺など、幅広く展開していく。

TBSチャンネル2では「JIN−仁−」と、続編作の「JIN-仁-完結編」を6月に放送。続編でも、内野演じる龍馬の活躍をたっぷりと堪能できる。

この重厚かつ、多くの感動が織り込まれた名作を、内野ら名優の演技と共にぜひ最後まで楽しんでほしい。

文=堀慎二郎

この記事の全ての画像を見る
  1. 1
  2. 2
  1. 1
  2. 2

放送情報【スカパー!】

JIN−仁−
放送日時:2025年6月3日(火)18:00~、6月4日(水)18:00~、6月5日(木)18:00~

JIN-仁-完結編
放送日時:2025年6月11日(水)18:00~、6月12日(木)18:00~、6月13日(金)18:00~

チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
こちら

Person

関連人物