綾瀬はるか、「ひとりでしにたい」に重ねる想い「鳴海のセリフが自分の気持ちを代弁してくれた」

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土曜ドラマ「ひとりでしにたい」主人公・山口鳴海を演じる綾瀬はるか
土曜ドラマ「ひとりでしにたい」主人公・山口鳴海を演じる綾瀬はるか

――鳴海という役柄にご自身との共通点は感じましたか?

「私も、人から何か言われると落ち込むことがありますし、"なんでそんなこと言うんだろう"ってモヤモヤすることも(笑)。でも時間が経つと、"まあ自分もそうだしな"と納得したり、ぐるぐる感情が動くんです。そういう部分は、すごく鳴海と重なりました」

――第1話でのダンスシーンも印象的でした。撮影はいかがでしたか?

「実はダンス経験はそんなにないんです。でも、曲がとても覚えやすくて、みんなで何度も練習しました。現場もすごく明るい雰囲気で、撮影中も本当に楽しくて、自然と笑顔になれる瞬間がたくさんありました。特に"自由に動いていい"と言われたシーンでは、周りのキャストがすごくユニークな動きをしていて、それに引っ張られて私もどんどん楽しくなって(笑)。出来上がった映像を見ても、チームの雰囲気の良さが伝わると思います」

――"死"を描く作品ですが、鳴海を演じながら"今を生きること"について考えたことはありますか?

「"死"というものを考えることで、むしろ今目の前にある時間を大事にしたいという気持ちが強くなりました。人生って本当にあっという間で、有限なんだと感じます。せっかくこの世界に生まれてきたんだから、自分らしく日々を楽しみながら、いっぱい笑っていたい。鳴海という役を通して、"今を生きること"の重みや愛しさを、改めて実感しました」

土曜ドラマ「ひとりでしにたい」綾瀬はるか
土曜ドラマ「ひとりでしにたい」綾瀬はるか

(C)NHK

――女優としてのキャリアも約25年を迎えました。演じることへの思いに変化はありますか?

「デビューしたての頃は、楽しいより大変だなと感じていました。違う誰かになるのはエネルギーが必要ですし、"こうしなきゃいけない"と自分にプレッシャーをかけてしまうことも多かったです。でも、年齢を重ねて経験を積んできたことで、今は肩の力が抜けてきて、"揺らぎもいいな"とか、"完璧じゃなくても大丈夫"と、少しずつ思えるようになりました。演じることの楽しさや、現場で生まれる一瞬一瞬の化学反応をより楽しめるようになった気がします」

――年齢を重ねていくにつれて、人生観が変わったタイミングはありましたか?

「鳴海と同じくらい、35歳を過ぎたあたりから20代の頃とは違うなと実感するようになりました。若い頃は自由だと思っていたことも、年を重ねると"孤独"や"不安"に変わっていく感覚もあったりして......。私も身近な人を亡くす経験があって、"いつかみんな死ぬんだ"と人生の有限さを意識するようになりました。鳴海のセリフの一つひとつが、自分の気持ちを代弁してくれているようで、とても共感しました」

――最後に、ドラマを楽しみにしている視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

「"死"や"孤独"がテーマのドラマですが、見終わった後にはきっと笑えて、前向きな気持ちになれると思います。心がふわっと温かくなる、そんなドラマになっていますので、ぜひ楽しみにしていてください!」

土曜ドラマ「ひとりでしにたい」綾瀬はるか
土曜ドラマ「ひとりでしにたい」綾瀬はるか

(C)NHK

取材・文=川崎龍也
ヘアメイク=栗原里美 (Three PEACE)
スタイリスト=山本マナ
写真提供:NHK

 

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放送情報

土曜ドラマ「ひとりでしにたい」
2025年6月21日(土)スタート <全6回>
NHK総合テレビ 毎週土曜 夜10:00〜10:45
[再放送] 総合テレビ 毎週水曜 午前0:35〜1:20 ※火曜深夜

詳しくは
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