堂本剛がアーティスト性を発揮!.ENDRECHERI.として映画音楽にもチャレンジした主演映画「まる」

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「まる」 (C) 2024 Asmik Ace, Inc.
「まる」 (C) 2024 Asmik Ace, Inc.

KinKi Kidsとして国民的スターの顔を持ち、クリエイティブプロジェクト.ENDRECHERI.としても独自の道を切り開いている堂本剛。そんな堂本が自身のアーティスト性を発揮しながら「金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」(1997年)以来実に27年ぶりの映画主演を果たしたのが、荻上直子監督による「まる」だ。堂本は本作で初の映画音楽にも挑んでおり、彼の多彩にして唯一無二の才能を堪能できる作品となっている。

7月27日(日)にWOWOWシネマで放映される本作は、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男、沢田を主人公とした奇想天外な物語。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっている沢田。ある日、蟻に導かれるように描いた○(まる)がSNSで話題となり、正体不明のアーティスト"さわだ"として一躍有名になるが、次第に彼の日常が○(まる)に侵食され始めていく。

堂本剛が失業した美術家のアシスタントを演じた「まる」
堂本剛が失業した美術家のアシスタントを演じた「まる」

(C) 2024 Asmik Ace, Inc.

監督を務めたのは、「かもめ食堂」(2006年)をはじめ数々のオリジナル脚本で話題作を送り出し、「彼らが本気で編むときは、」(2017年)で第67回ベルリン国際映画祭・テディ審査員特別賞と観客賞(2nd place)を受賞、「波紋」(2023年)で第33回日本映画批評家大賞・監督賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得る荻上直子。奇妙でおかしみのある人間たちを描きつつ、孤独や痛みに向き合ってきた荻上監督が約2年もの熱烈オファーを寄せるなど、堂本にラブコールを送り続けて実現したのが本作だ。

荻上監督は、堂本の過去のインタビュー記事を読み漁り、沢田という主人公をアテ書きによって生み出し、堂本は監督の熱意に心を打たれてオファーを応諾。堂本は脚本が完成する前から長い期間、監督とたくさんのディスカッションを重ねたそうで、沢田というキャラクター、そして映画づくりに積極的に参加している。

沢田自身は何も変わらないのに、描いた○(まる)が一人歩きし、突然彼の周囲がざわつき始める。これまで見向きもしなかった人たちから羨望の眼差しを受け、絵には驚くようなお金が対価として払われるだけでなく、沢田は「求められるものに応えるのもアーティストの義務」だとばかりに"さわだ"としてあるべき姿を求められるようになる。

「自分は何を描いたらいいのか」と戸惑う沢田の心の旅を通して、生きること、働くことなど自分の悩みや人生そのものに思いを馳せる人も多いことだろう。劇中では物事は見え方、考え方次第でいかようにも変わってくるという視点も込められているが、まさにそれぞれの置かれている状況や立場によってあらゆる感想が生まれるような作品でもあり、言葉にできないような心の深いところに触れてくるような映画だ。

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放送情報【スカパー!】

まる
放送日時:2025年7月27日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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こちら

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