渡哲也×桃井かおりが夫婦役に!昭和ドラマの力強さを感じさせ、時代劇の常識も破る名作ドラマ「浮浪雲」
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(C)石原音楽出版社
ジョージ秋山の原作漫画をドラマ化し、1978年にテレビ朝日系で放送された「浮浪雲」。石原プロモーションが製作し、主人公の雲を渡哲也が演じた。脚本は「北の国から」の倉本聰が担当している。
幕末を舞台として、坂本龍馬や勝海舟、新選組など史実で有名な人物も登場するが、基本的には雲とその妻・かめ(桃井かおり)、息子・新之助(伊藤洋一)を中心にしたホームドラマである。ただ、ドラマ冒頭に「このドラマはフィクションであり、時代考証その他、かなり大巾にでたらめです。」という注釈がある通り、時代劇としてハチャメチャな場面も多い。
例えば、アコーティックギターを弾き語る場面があったり、「PTA」や「マスコミ」という現代用語が普通に飛び交ったり、登場人物が昭和のヒット曲を口ずさむなど、本当にデタラメなのだが、そんな演出もドラマの個性として楽しめる。
■動乱の幕末を舞台に親子の在り方を視聴者に問いかける

(C)石原音楽出版社
製作者としてクレジットされている石原裕次郎のヒット曲「夜霧よ今夜も有難う」を渡が鼻歌で口ずさみ、自身の代表曲である「くちなしの花」を歌う場面もあって、思わずニヤリ。桃井にいたっては、当時大流行したピンク・レディーの「ウォンテッド」を歌うというハチャメチャぶり。宴会のシーンに放送当時の流行歌「演歌チャンチャカチャン」を全員が大合唱する場面が何度も挿入されて時代を感じさせる。
コミカルな場面が多いのは確かだが、本作の核となっているのは、やはり人間ドラマの旗手である倉本が紡ぐストーリーの妙。特に思春期の子を持つ親世代の人には参考になることも多いはずだ。
主人公の雲は、江戸・品川宿の問屋「夢屋」の主。しかし仕事はそっちのけで、無類の酒好き女好き。昼行燈で髷もきちんと結わずに女物の着物を着て、いわゆる遊び人の風体。見かけに違わず遊んでばかりいるので、息子の新之助にも説教されている。世の中の風習や常識には一切囚われず、常に飄々としているが、柔軟な思考と強靭な精神力を持ち、じつは剣術の達人でもある。人間的な魅力に溢れる人物なので、老若男女を問わず、人を惹きつける所以だ。桃井かおり演じる妻のかめも、文句ばかり言いながらも夫を深く愛しているし、息子の新之助も父を敬愛していることがわかる。
■新境地を開拓した渡と魅力を炸裂させる桃井のコンビが絶品
放送情報【スカパー!】
浮浪雲
放送日時:2025年10月15日(水)18:00~
放送チャンネル:ホームドラマチャンネル
出演:渡哲也、桃井かおり、伊藤洋一、柴俊夫、笠智衆、山本麟一、谷啓、石原裕次郎
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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