板垣李光人、「ばけばけ」で堤真一北川景子との親子共演を振り返る「不仲な父との絶妙な関係を作るため、堤さんとは現場であえて話し過ぎないようにしていた」

俳優

6
「ばけばけ」に出演中の板垣李光人
「ばけばけ」に出演中の板垣李光人

小泉セツ&八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻をモデルに、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描く連続テレビ小説『ばけばけ』。主人公・松野トキ(高石あかり)(※「高」は正しくは「はしごだか」)が勤める機織り工場を経営する雨清水家は、かつて誉れある武士の家だった。その三男・三之丞(さんのじょう)を、板垣李光人が演じている。

第3週では、工場が経営難に陥り、三之丞の父親で当主の傳(でん)(堤真一)が病に倒れ、母・タエ(北川景子)も苦難に直面する。時代の変化に翻弄される三之丞というキャラクターを、板垣はどのように捉えて、撮影現場で共演者とどう演じているのか、今回インタビューを行った。

堤真一と北川景子演じる夫婦の三男として板垣李光人が好演!
堤真一と北川景子演じる夫婦の三男として板垣李光人が好演!

――三之丞は雨清水家の三男で、兄が家督を継ぐために目をかけられずにきた、不憫な立場。養子に出された実の姉であるトキの方が貧しい環境で育ったにもかかわらず、仕事や看病など役に立つ人間に育ったところを見せつけられ、みじめな思いをするという展開でした

「そうですね。松野家は、雨清水家ほど裕福ではないですが、家族が身を寄せ合って暮らし、家族の絆がある。一方、雨清水家は、広い屋敷の中でそれぞれが暮らし、家族が深く交わることがない。僕は放送を見て、台本以上にその対比をすごく感じました。その中で三之丞は、トキと比べられる存在。第2週で登場したときは、トキをただの友達と思っていたから『僕が(トキの家に)婿入りしようか?』というような冗談も言えたわけです。トキに対して恋愛感情は持っていなかったと思います(笑)。現場に入るとき、その登場時点と、第3週から『実の姉だったのか...』と関係が変化していくところのコントラストをつけようと意識していました」

――第3週、雨清水家で父親の傳が倒れたとき、三之丞がそれまでため込んでいた自分の気持ちをぶつけた場面がとても印象的でした。あの場面には、どのような気持ちで臨みましたか?

「そこは、時代に翻弄されてしまった雨清水家の姿をしっかりと出したいと思っていました。松野家に養女に出されたトキが雨清水の両親に大切にされているのを目の当たりにした三之丞が『できれば、私もよそで育ちたかったです』と言うシーンをどう演じるかで、伝わり方が全く変わってくる。それまでの三之丞のまま、あのセリフを言ってしまうと、本当に家族のつながりがただ希薄だったというふうに伝わりかねないと思いました。もちろん親子の愛が全くなかったわけではないけれど、ただこういう時代に生まれてしまったからこそ、三之丞もこうなってしまったし、結果として親子のすれ違いも生まれてしまった。そこを見せないといけない、という思いでした」

この記事の全ての画像を見る
次のページへ
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

放送情報

連続テレビ小説「ばけばけ」
毎週(月)〜(土)8:00〜 ※(土)は一週間の振り返り
チャンネル: NHK総合ほか
出演=高石あかり、トミー・バストウ/吉沢亮ほか

詳しくは
こちら

Person

関連人物