木南晴夏が説得力のある演技で強烈な個性の指導医を熱演!白濱亜嵐主演ドラマ「泣くな研修医」
俳優
(C)テレビ朝日・MMJ
第1話の冒頭から、木南が演じる佐藤は強烈な印象を与えてくれる。オープニングで佐藤ら医師が2人のインターンに研修医の説明をするのだが、楽しそうに微笑んだかと思えば突然、冷徹な目になって、「研修医は兵隊、伝書鳩、刺股だね」と言い切る。つまり研修医とは、医師のために何でもする兵隊であり、基本的に仲が悪い医師たちの間を飛び回る伝書鳩であり、院内でのトラブルに身体を張って対応する刺股、というわけだ。
さらにその後、佐藤は突然かかってきた電話に「電話してくんじゃねえよ」と険しい顔で対応。インターンをからかうような笑顔から、言葉遣いの荒い怖い外科医へ。その変化を木南がコミカルに、かつ絶妙な緩急で演じているため、佐藤という人物が視聴者の心に強く刻まれる。
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そして物語が始まるわけだが、佐藤はほとんど笑顔を見せることがなく、常に厳しく研修生たちに当たる。第1話では雨野に"ドッキリ"を仕掛けた後に、「医者の世界、甘くないんだよ」と刺すような目で説教し、第2話では患者の家族への対応でミスをした雨野を怒鳴ったりもする。
しかしそういった態度も、患者の命を預かる医師の責任や心構えを雨野たちに叩き込むためであり、佐藤が患者と研修医を思って言っていることが伝わってくる。そのため、どれだけ厳しくても、どれだけきつい言葉を投げかけても、嫌な印象を抱くことはない。それもやはり、木南の絶妙な演技が成しえるものと言えるだろう。
■佐藤の過去の経験が滲む、木南の説得力のある演技にも注目
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作中では佐藤が研修生たちを支え、導くシーンも。事故で負傷した子供を前に、雨野に「絶対なんとかするよ」という場面では、強いまなざしとしっかりとした声に心が奮い立つ思いがする。また、患者への対応で研修医の中園くるみ(恒松祐里)が迷っている時は、励ますようにアドバイスを送る。
実は第6話で、10年前の研修時代の佐藤の話が少し語られる。彼女が体験した辛い出来事、それに対する想いを知ると、厳しくても雨野たちを導こうとする姿がより説得力を持つし、木南が佐藤という強烈なキャラクターを確立しているがゆえに、その厳しさは佐藤の優しさなのだということがより心に染みるのだ。
雨野を含め、4人の研修医たちは基本的に賑やかだが、木南が厳しい佐藤をしっかり演じていることによって物語が引き締まり、深みも増している。その存在感は主人公の雨野に匹敵するくらいで、最終話のラスト前に雨野に懸けた言葉などは、心にグッとくる。主演の白濱はもちろん、木南を含め、キャスト陣それぞれの演技にも注目して楽しんでほしい作品だ。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
泣くな研修医
放送日時:2025年11月5日(水)16:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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