堺雅人と仲間由紀恵が温かな愛情を注ぎ合う夫婦を体現!加賀藩に仕えた御算用者・猪山直之の生きざまを描く「武士の家計簿」
俳優
 
 (C)2003 磯田道史/新潮社 (C)2010「武士の家計簿」製作委員会
お駒が物語に登場するのは、与三八に呼ばれ家の縁側に出た時で、直後、与三八から縁談の話が飛び出す。相手が算盤バカだと言われた時の困ったような、でも興味がありそうな様子は絶妙で、つい表情の変化に魅入ってしまう。
お駒は思っていることをあまり口にはしないが、その表情でしっかりと心情を伝えてくれる。川辺で出会った侍が縁談相手の直之と知った時の驚いた顔は、その奥で感情が動いている印象を受ける。結婚し、子供が生まれた後、直之から能登に異動となることを伝えられた時には、しっかりしたまなざしと引き結んだ口元に、現実を受け入れる決意が感じられる。
借金返済のために倹約するようになってからも、食材を工夫して美味しいものを作るなど、かいがいしく直之を支える。何があっても笑顔で直之に寄り添うその姿には温かな愛情が感じられるし、お駒を魅力的に演じた仲間の演技もさすがというほかない。
 
 (C)2003 磯田道史/新潮社 (C)2010「武士の家計簿」製作委員会
そんなお駒も、感情をさらけ出すことがある。息子・直吉(後に成之と改名)の身に問題が降り掛かった時だ。直之の言いつけで夜分に1人で外に出された時や、成長し、加賀藩の兵として出征した成之が亡くなったらしいとの知らせが届いた時には、涙ながらに自らの想いを直之に訴える。普段つつましいがゆえに、堰を切ったように息子への想いを吐露するお駒の姿には、心が揺さぶられる。
静かで熱のある直之、温かな愛情を持つお駒。そんな2人が仲睦まじく過ごすシーンも随所にある。婚儀の後にお駒が直之をからかったり、お祭りでお駒のために直之が櫛を買ったり。笑顔の2人を見ていて心が和むのは、愛し合い、支え合う2人の気持ちを堺と仲間がしっかりと体現しているからだろう。
お互いと家族を想いながら激動の時代を生き抜いた、心温まる夫婦の物語を、堺と仲間の名演を味わいつつ、ぜひ最後まで見届けてほしい作品だ。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
武士の家計簿
放送日時:2025年11月29日(土)18:30~
チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
詳しくは
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