沢口靖子&内藤剛志の新たな一面も垣間見える?シリーズ初のスペシャルドラマとなった「新・科捜研の女スペシャル(2008)」
俳優
(C)東映
あらゆる鑑定の結果が"鵜飼の死は望の発砲が原因"と告げる中で、マリコは望と再会し、彼女がどれほど鵜飼を尊敬していたか、そして、そんな鵜飼を自分が殺したかもしれないという自責の念に苦しんでいることを知る。そのシーンでのマリコは、望の心に寄り添う悲しげな表情を浮かべた後、"望が先輩を射殺するはずがない"と確信を抱いたことが伝わってくる顔つきに変わる。繊細な表情の変化でマリコの心情の機微を映し出す沢口の演技に圧倒されるはずだ。
その後マリコは、鵜飼の体内を貫通したことで誤差が生じたと思われる弾道鑑定書を手に、望が使用していた銃の再鑑定を決意。父でもある京都府警科捜研所長・伊知郎(小野武彦)からは「もう終わった鑑定だよ」と言われるものの、「たとえ小さな誤差でも、このまま解明せずに終わらせるなんて私にはできない」と反論する。この場面は、沢口の迫真の演技により、「望にかけられている疑惑を晴らしたい」という情の深さに加え、榊マリコの軸でもある法医研究員としての使命感を感じられる名シーンとして、多くのファンの記憶に焼きついている。
そして、マリコと唯一無二のコンビとして活躍する土門刑事も、本作では"美貴の兄"としての顔も見せている。物語の冒頭で、美貴が爆発物だと知らずに証拠品となるボートの部品を手にしていた際は、誰よりも早く妹のもとに駆けつけ、身を挺して爆風から美貴を守る。「けがないか?」と妹に優しく声をかけ、美貴を救ってくれた望に頭を下げるなど、いつにも増して妹想いな面がフィーチャーされている。兄としての土門を演じている際に内藤が浮かべる柔らかい表情も必見だ。
舞鶴湾でのボート爆破事件を発端に、さまざまな人物の思惑が絡む予測不可能なシナリオが展開する本作。望を演じる黒谷と、その上司役を務める鶴見辰吾の熱演なども含め、見どころ満載だ。本作でも活躍するマリコ&土門コンビの活躍を最後まで見届けてほしい。
文=中村実香
放送情報
新・科捜研の女スペシャル(2008)
放送日時:2025年12月19日(金)11:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:沢口靖子 内藤剛志 加藤貴子 斉藤暁 深浦加奈子 泉政行 小野武彦 田中健 ほか
詳しくは
こちら










