見どころはやはり、五郎が行く先々で楽しむグルメの数々だ。八王子に向かう途中、まずは腹ごしらえにチーズピッツァやイカ墨パスタなどご機嫌な年の瀬イタリアンを満喫。依頼を済ませて温泉に行くかと期待を膨らませていた矢先にトラブルに巻き込まれ、もはや恒例となった年末の呪縛にぼやきながら北へと愛車のMINIを走らせる。

初めて訪れた長野県飯田市で、疲労困憊のお腹を満たすために焼肉店へ。ご当地では定番のラム肉などを注文し、一人焼肉忘年会を開催する。地元客を真似てタレの味変も楽しみながら焼きたてを頬張る姿も微笑ましい。

そして、たどり着いた先は石川県七尾市。まだ地震の爪痕が残る中、営業中の旗を掲げる店で能登の愛情が詰まったちゃんこ鍋をいただく。この一年を振り返りながら、牡蠣のバター焼きに天ぷら、〆の雑炊まで堪能。その温かさに心まで満たされていく。

そして、やはり人との出会いも本シリーズの魅力の一つ。旅のきっかけとなる依頼をする横浜の映画館の館長には光石研、八王子で映写機の貸し出しなどを行なう鈴木映画の社長を塚本晋也、気難しい映写技師の岩田を泉谷しげる...と、ベテラン俳優陣が五郎を北へと誘う役どころを担う。雛形あきこ、田中美佐子が道中で立ち寄る飲食店のママと女将に扮して、美味しい料理を届けてくれる。商工会婦人部の福永役に鈴木砂羽など、物語を盛り上げるゲストキャストとの関わりにも注目したい。