当時30代、水谷豊が新人事件記者の奮闘をコミカルに好演!伊藤蘭共演の「事件記者 チャボ!」

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水谷豊と伊藤蘭が共演した1983年のドラマ「事件記者 チャボ!」
水谷豊と伊藤蘭が共演した1983年のドラマ「事件記者 チャボ!」

数々の映画やドラマ、舞台で俳優として圧倒的存在感を放つ傍ら、歌手や映画監督など、さまざまな領域でその多才ぶりを発揮してきた俳優・水谷豊。「傷だらけの天使」や「熱中時代」、そしてヒットシリーズである「相棒」などの代表作で知られている。

そんな水谷が30代だった1983年から1984年にかけて放送されたのが「事件記者 チャボ!」だ。水谷は本作で主人公の中山一太を演じ、後に結婚する伊藤蘭とは、前年のドラマ「あんちゃん」以来の再共演となった。

瀬戸内海に面したのどかな田舎町で、ローカル色豊かなのんびりとした記事を送り続けてきた東和日報の地方記者・中山一太(水谷)は、亡き父の大学柔道部時代の後輩で、警視庁記者クラブのデスク・鬼丸剛(藤岡琢也)に呼ばれて、憧れの東京で働くこととなる。30歳にして大都会に進出し、四六時中ニュースが舞い込んでくる環境に身を置く事になった一太。驚きの連続の中、早速、拳銃密輸犯に関するタレ込みがあり、一太は取材に向かうことになる...。

本作で水谷が演じたのは、のどかな田舎町から一転、東京で事件記者として奮闘することとなる主人公・一太。トサカのような髪型から"チャボ"と呼ばれる一太は、事件を追うことに夢中になって首を突っ込みすぎるがあまり、刑事と間違われることも。そんな一太の真っすぐな働きぶりを水谷が好演している。

事件記者という題材だけあって、拳銃密輸事件に始まる、殺人事件や暴力団会長の襲撃事件など、登場する事件はどれも物騒なものばかりだが、水谷がコミカルな演技で一太を演じており、ストーリーが暗くなりすぎずにサスペンスとコミカルの絶妙なバランスが保たれている。また、取材中にひょんなことからマンションの部屋の中で倒れている幼子を見つけたり、取り壊し予定のアパートで偶然にも身寄りのない兄弟を発見したりする一太。困っている子供たちを放っておけず、あれこれ世話を焼こうとする人情味に溢れたところも、一太の魅力だ。

伊藤は、東京生まれの女性記者・一之江ツルを演じている。夫を亡くし、幼い娘を育てているツルは、気丈な性格の一方で涙もろい一面もある女性。当初は詐欺師のガセネタに引っかかった一太にツルがあきれ返る場面などもあるものの、同僚としてともにスクープを追ううちに、やがて2人の間に恋が芽生え始める。

今から40年以上も前の作品だが、若かりし頃から水谷の演技が光る本作。伊藤との共演にも注目しながら、新人事件記者の奮闘劇をぜひ楽しんでいただきたい。

文=HOMINIS編集部

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