阿部寛が体現した"人間くさいリーダー像"―― 夢を諦めない社長の奮闘を描く池井戸潤原作の名作ドラマ「下町ロケット」

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2023年に放送されて人気を博した堺雅人主演のドラマ「VIVANT」。堺演じる主人公・乃木憂助が異国の地"バルカ共和国"で行動をともにする公安警察・野崎守を阿部寛が演じるなど、豪華なキャストが顔をそろえたことも話題となった。そして、2026年の夏には続編の放送も予定されている。

阿部の代表作の1つで、続編やスペシャルドラマも制作された社会派エンターテインメントが2015年の「下町ロケット」だ。

原作は「半沢直樹」などでおなじみの池井戸潤による直木賞受賞作。当時すでに、仲間由紀恵と共演した「TRICK」シリーズの偏屈な物理学者役や、古代ローマ人が現代日本にタイムスリップする映画「テルマエ・ロマエ」(2012年公開)などで俳優として確固たる地位を確立していた阿部。中小企業・佃製作所の社長・佃航平を熱演した本作はやがて20パーセント超の視聴率を記録したヒット作となった。

阿部寛が宇宙への夢を追う熱き社長を好演
阿部寛が宇宙への夢を追う熱き社長を好演

「TRICK」シリーズを始め、「結婚できない男」や「ドラゴン桜」のように癖が強いタイプをドラマで演じることが多かった阿部だが、本作で演じている佃は律儀で情に熱く、涙もろい真っすぐな熱血漢。宇宙科学開発機構の研究員だった佃はロケット打ち上げに失敗した責任をとって辞職し、父親が営んでいた精密機械工場「佃製作所」を継ぐことになる。それでも宇宙への夢は捨てておらず、大型ロケットを飛ばすために必要なバルブシステムを開発する。しかし、ライバルの大手企業からエンジンの特許侵害で訴えられたり、メインバンクから融資を断られたり、さらには日本初の純国産ロケットの打ち上げを計画している大企業「帝国重工」にその技術を奪われそうになったりと、逆風の連続。何度も挫折しそうになりながらも、信頼する社員とともに苦難を乗り越えていく。

そんな佃を演じた阿部の演技は良い意味で人間くさく、感情がすぐ顔に出る豊かな表情に引き付けられる。物語は技術大国と形容されたかつての日本や中小企業のシビアな現実も映し出し、多くの視聴者を涙させ、そして力づけた。帝国重工の宇宙航空部部長・財前道生を演じる吉川晃司を始め、佃の娘役の土屋太鳳や、杉良太郎、竹内涼真、山崎育三郎、中村倫也、小泉孝太郎、バカリズムなどキャストも多彩。「ロケット編」と佃の技術が医療分野に貢献する「ガウディ計画編」の2部構成で制作された本作の、阿部の魅力と演技に注目したい。

■"こんなトップについていきたい"、そう思える社長像を阿部が体現

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