内藤剛志が表現する、人間味あふれる十津川警部!ゲスト出演の堺正章との"演技合戦"を見逃すな!「西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ3「伊豆踊り子号殺人迷路」」

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1955年生まれの俳優・内藤剛志は、1990年代に「27クール連続ドラマ出演」という日本記録を達成し、"連ドラの鉄人"の愛称もあった。当初は悪役が多かったが、「科捜研の女」シリーズや「警視庁・捜査一課長」などで刑事役のイメージが定着。プライベートで街を歩いていると、本物の警官たちからよくお辞儀されるという逸話まである。今回は、"刑事役が似合う俳優ナンバーワン"とも呼ばれる内藤が、西村京太郎原作の十津川警部を演じたシリーズにスポットを当てたい。

内藤剛志が十津川警部を演じたTBS系の「十津川警部シリーズ」は、2017年から2019年まで全8作が放送された。十津川役と言えば、TBSの渡瀬恒彦とテレビ朝日の高橋英樹が双璧で、ともにロングランとなっている。

■堺正章演じる、原作小説にないゲストキャラクターが重要なファクターに

内藤剛志と堺正章の圧倒的演技力で繰り広げられる演技のかけあいに注目
内藤剛志と堺正章の圧倒的演技力で繰り広げられる演技のかけあいに注目

さて、内藤の十津川シリーズは、全8作と本数はあまり多くない。しかし、内藤演じる十津川警部が見事にハマっているので、改めて力説させていただきたい。ここでは、シリーズ3作目の「伊豆踊り子号殺人迷路」(2017年放送)を取り上げよう。

まずはストーリーから。警視庁の十津川班に寺西敬介刑事(窪塚俊介)が新メンバーとして配属される。実績十分な若手の寺西に十津川警部(内藤剛志)の期待も膨らむ。そんな矢先、休暇を取った西本刑事(高杉瑞穂)は、恋人の鈴香(辻本瑞貴)と伊豆高原へ旅行に出かけるが、旅先で悲劇が発生。

鈴香が板前の香田重信(武野功雄)を包丁で刺し殺して自殺してしまったのだ。静岡県警と共に、十津川や亀井刑事(石丸謙二郎)らも捜査を開始。その数日後に横浜で第二の事件が起こる。デート中のカップルの女性が、貴金属店のオーナーを刺殺して自殺したのだ。捜査の結果、2人の女性が共に不幸な過去を持ち、多重人格に関する同じ本を読んでいたことも判明し、十津川は著者である大学教授の香取信一郎(堺正章)のもとを訪れる...。

本作のキモは、堺正章が演じる犯罪心理学者の香取信一郎の存在だ。十津川の捜査に協力し、独自の視点で捜査に影響を与える "謎めいた知の巨人"的な存在として描かれる。じつはこの香坂という人物は原作小説には登場せず、ドラマのオリジナルキャラクターだ。さらに、本作には医療ジャーナリストの鏑木瑠偉(矢田亜希子)という人物も出てくるが、彼女も原作には登場しない。

犯罪心理学者と医療ジャーナリストという2人が登場することで、捜査の視点が単なる事実解明だけでなく、心理分析にも触れるよう脚色され、ドラマに奥行きを与えている。この点からもなかなか"攻めた"作品だと言えるだろう。

■包容力と人間味を強烈に感じさせる内藤の十津川が絶品

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