1月から始まった大河ドラマ「豊臣兄弟!」が好評だ。仲野太賀演じる天下人の弟・豊臣秀長を主人公に、強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡、夢と希望の下剋上サクセスストーリーが展開する。
本作で波乱の生涯を歩む戦国ヒロインの一人、織田信長の妹で浅井三姉妹の母となる市を演じているのが宮崎あおい(※「崎」は正しくは「立さき」)。歴代最年少で大河ドラマ主演を務めた「篤姫」(2008年)以来、18年ぶりの大河出演は大きな話題を呼んでいる。
純愛ストーリーやコメディ、社会派など多彩な映画作品への出演、朝ドラヒロインと大河主演、そして結婚・出産を経て母となった宮崎。そんな彼女が印象に残る"母親"役を演じた作品が「バースデーカード」(2016年)だ。
(C)2016「バースデーカード」製作委員会
3月22日(日)にWOWOWシネマで放送される本作は、誕生日に毎年届く亡き母からの"バースデーカード"を通じて母娘の愛が描かれるヒューマンドラマ。「キトキト!」(2006年)で監督デビューを飾った吉田康弘監督が、自ら手掛けたオリジナル脚本を映画化した。
ヒロインに起用された橋本愛と、その母親を演じる宮崎は実年齢では10歳しか変わらない。幼い娘を遺して若くして亡くなった母という設定だからこそ実現した、実力派女優の共演も注目を集めた。
内気な少女・紀子は、落ち込む自分をいつでも優しく励ましてくれる母・芳恵(宮崎)が大好きだった。しかし紀子が10歳の時、病気で亡くなってしまう。余命を悟った芳恵は、子どもたちが20歳になるまで誕生日にバースデーカードを送る約束をしていた。その約束通りに毎年届く手紙を読んで書かれたことを実行してきたが、19歳になった紀子(橋本)は母親に人生を決められているように思えて手紙を開けられず、父・宗一郎(ユースケ・サンタマリア)と言い争いになって家を飛び出す...。
宮崎演じる芳恵は、引っ込み思案な娘と無邪気な息子を愛する優しく明るい母親だ。物語の前半は芳恵をメインに展開。手芸に親しむ宮崎にとって刺繍や編み物はお手のもの、得意の料理も手際良くこなし、普段通りの家族の日常を自然体で見せる。甘える娘に応える声は柔らかな雰囲気を纏い、子役時代から変わらぬ透明感と愛らしい笑顔は家族を照らす太陽のように眩しい。
しかし、病気を患うとその姿は一変。自身に迫る死を体現するような儚さを帯びる。娘の前では弱さを見せず、残りわずかな時間を精一杯生きようと気丈に振る舞う。未来の約束をする時の揺れる瞳、愛おしそうに子どもたちを見つめる視線。生きて会うことが叶わない成長した娘に、手紙を通して語りかける声も慈愛に満ちている。
自分のいない未来に思いを馳せるふとした表情や優しい声音がその裏の切ない心を想像させ、思わず涙を誘われる。時にわがままで紀子を振り回し、時に完璧ではない弱さも夫に見せながら、どこにもいそうな家族の日常や幸せを宮崎が丁寧に紡いだ。

松田龍平、石田ゆり子ら共演「ギミー・ヘブン」" width="304" height="203" loading="lazy" fetchpriority="high">






