当時若手だった竹野内豊と名優・山﨑努の存在感が光る!二人の圧倒的演技力に引き込まれる「世紀末の詩」

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野島伸司脚本、竹野内豊と山﨑努が共演した、『愛とは何か』を問いかける1998年の寓話的な人間ドラマ「世紀末の詩」(全11話)が、2026年4月16日(木)から日本映画専門チャンネルで放送される。

この作品は、結婚式で婚約者に駆け落ちされた野亜亘(竹野内)と、学長選挙に敗れた大学教授の百瀬夏夫(山﨑)が、それぞれビルから飛び降り自殺しようとしたときに出逢い、女性ミア(坂井真紀)と共に港近くのバラックで共同生活を始めるという物語。

毎回『愛とは何か』を問いかけるエピソードが描かれ、愛を信じたい野亜と愛に否定的な百瀬の姿が描かれる。他にレギュラーとして野亜が一方的に思いを寄せる小学校教師・里美役で木村佳乃が出演し、彼らの愛のゆくえにも注目が集まった。また広末涼子や谷啓、三上博史、藤原竜也、桜井幸子、池脇千鶴、大沢たかお、最終話には香港映画で活躍していた女優のジョイ・ウォンが出演し、ゲスト出演者の顔ぶれの豪華さも見どころになっている。

■当時若手だった竹野内豊の瑞々しい演技に注目

竹野内豊の体当たりの演技を見逃すな!
竹野内豊の体当たりの演技を見逃すな!

出演当時の竹野内豊は、若手俳優として躍進著しい時。雑誌『MEN'S NON-NO』の読者モデルから1994年に俳優デビューした彼は、「星の金貨」(1995年)で酒井法子演じるヒロインをめぐって大沢たかおと三角関係になるキャラクターを演じて注目を集め、1997年の「ビーチボーイズ」で反町隆史とW主演を務めて不動の人気を獲得。今回のドラマの前にも「WITH LOVE」(1998年)に主演するなど、新たなテレビドラマの主演スターとして引く手あまたの状態だった。

その後も松嶋菜々子と共演した「氷の世界」(1999年)や、「真夏のメリークリスマス」(2000年)、ケリー・チャンと共演した大ヒット映画「冷静と情熱のあいだ」(2001年)を経て、「ヤンキー母校に帰る」(2003年)では、それまでのクールな役柄と異なる元ヤンキーの熱血教師を演じてイメージチェンジし、代表作の一つとした。

そんな彼がここで演じた野亜は自惚れ屋だがどこか頼りなくて、感動してよく泣く感情の起伏が激しい男。女性にもてる二枚目役が多かった当時の彼とは違う、失恋のトラウマを背負った心の揺れが激しいキャラクターを体当たりで演じている。

■山﨑努は人間臭い教授を丁寧に演じる

また山﨑努は、「天国と地獄」(1963年)、「赤ひげ」(1965年)、「影武者」(1980年)といった黒澤明監督映画や、「お葬式」(1984年)や「マルサの女」(1987年)などの伊丹十三監督映画で知られる名優。テレビでも「必殺仕置人」(1973年)の"念仏の鉄"で強烈な印象を残し、夏目雅子と共演した経済ドラマの秀作「ザ・商社」(1980年)、庶民の平凡な生き方を批判する、アウトローの写真家を演じた山田太一脚本の「早春スケッチブック」(1983年)など、ドラマ史に残る名編に出演してきた。

今回のドラマの役柄は、旅に出るためバラックで潜水艦作りに精を出す、ちょっと変わった元大学教授。知的でユーモアのセンスもあるが、無類のスケベオヤジという人間臭いキャラクターだ。その後も「あ、春」(1998年)や「GO」(2001年)、「おくりびと」(2008年)など映画で名演を披露した山﨑努が、そんな元教授役を、人生の年輪を感じさせながら伸び伸びと演じている。

竹野内豊の若手俳優としての勢いと山﨑努の人間的な存在感が光る、20世紀の終わりに登場した、愛に関する物語を多くの方に楽しんでもらいたい。

文=金澤誠

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