脅さず殺さず汚え金を根こそぎいただく――そんな盗賊の掟を守りながら、「でっかいこと」を成し遂げようと、弁蔵(松山ケンイチ)と宗次(早乙女太一)の2人の盗賊が奮闘する人気ドラマ「ふたがしら」。原作はオノ・ナツメのマンガで、2015年からWOWOWで放送され大ヒットとなった。
弁蔵と宗次は、関東一の盗賊集団「赤目」のメンバー。ある日突然お頭の辰五郎が倒れ、2人に赤目を任せると言い遺して息を引き取る。しかし辰五郎の妻おこんが持ち出した遺言状により、跡目は甚三郎に決まってしまう。辰五郎の遺言を覆されたこと、掟を破り人を殺める甚三郎をお頭と認める気などないことから、弁蔵と宗次は赤目を抜け、「でっかいこと」を成し遂げるために旅に出る。
弁蔵と宗次にピッタリ!松山と早乙女が演じる2人の活躍が見もの
ドラマ「ふたがしら」の見どころは、まず主人公である弁蔵と宗次の配役がはまり役であること。松山演じる弁蔵は、悪党の根城に乗り込み情報を持ち帰るなど身体を張った行動派。酒を飲むと失敗することもあるが、素直で真っ直ぐな人物像が松山にピッタリだ。
早乙女演じる宗次はクールな色男で、ハメを外しがちな弁蔵を諫める役でもある。鋭い観察力を持つ頭脳派で、とある宿の秘密を見抜いて味方につけるなど交渉事もうまい。クールな雰囲気を漂わせる早乙女ならではの見せ場も盛りだくさんだ。
2人から赤目の跡目を奪ったおこんが「水と油」と評するほど、弁蔵と宗次は対照的なキャラクターだ。しかしその2人がいがみ合いながらもトラブルに立ち向かい、ひとつの目標に向かってゆく姿は、つい応援したくなってしまう魅力に満ちている。
若者も楽しめる時代劇、それが「ふたがしら」
物語は「脅さず殺さず、汚ねぇ金を根こそぎいただく」という彼らの掟どおり、訪れた土地の悪党にひと泡吹かせる痛快な内容となっている。赤目が放った刺客との死闘や、駆け引き、騙し合いなどスリル溢れるシーンも盛り込まれ、テンポよく物語が進んでいく。
音楽をインスト・ジャズバンド「SOIL&"PIMP"SESSIONS」が担当しているのもポイントで、軽快な音とビートが時代劇にありがちな湿っぽさを払拭してくれる。2人の主人公の魅力と引き込まれる
展開、そして音楽の力により、若者でも十分に楽しめる新感覚の時代劇となっているのだ。
ドラマ「ふたがしら」は9月7日(金)に、続編となる「ふたがしら2」は9月14日(金)に、ともに全5話を一挙放送予定。裸一貫で赤目を飛び出した弁蔵と宗次の活躍を、この機会にぜひ楽しんでほしい。
文=堀慎二郎
放送情報
連続ドラマW ふたがしら
放送日時:2018年9月7日(金)21:00~
チャンネル:シネフィルWOWOW
連続ドラマWふたがしら2
放送日時:2018年9月14日(金) 21:00~
チャンネル:シネフィルWOWOW
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