【タカラヅカ】雪組・望海風斗真彩希帆コンビお披露目「ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~」

「ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~」望海風斗
「ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~」望海風斗

「フランス革命」はタカラヅカ作品ではおなじみだが、最近は革命後半の作品が多くなってきている。「ベルサイユのばら」では、民衆が決起するバスティーユ襲撃事件が物語のクライマックスだったが、2008年初演のミュージカル「THE SCARLET PIMPERNEL」で、その後の恐怖政治の時代にスポットが当たり始める。そして「ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~」では、ついに恐怖政治の立役者ともいえるロベスピエールが主人公となる。民衆のために立ち上がるも権力を握ってからは人が変わり、最期は自身がギロチンの刃にかかる彼の激動の生涯を描いた作品だ。

「ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~」

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

この公演が、雪組新トップコンビ・望海風斗(のぞみふうと)&真彩希帆(まあやきほ)の大劇場お披露目となった。ロベスピエールを演じた望海は、二番手時代に花組から雪組に組替えし、満を持してのトップ就任となった。男役の色気と三拍子そろった実力を兼ね備えた安定のトップスターだ。「エリザベート」のルキーニ、「ドン・ジュアン」のドン・ジュアンなど、狂気を感じさせる役に定評があるが、「星逢一夜」の源太、古くは「サン=テグジュペリ」のホルスト、「CODE HERO/コード・ヒーロー」のハルなど、善人の役も印象深い。善と悪の二面性を自在に演じ分けられるのが魅力の望海にとって、ロベスピエールはまさにハマり役。革命の理想に燃えるヒーローから冷徹な権力者へと大きく振れていくさまを、大胆かつ繊細にみせる。

「ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~」真彩希帆

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

相手役の真彩は望海と同じ花組から星組へ、そして雪組に組替えし、入団6年目にしてトップ娘役となった。抜群の舞台度胸とひたむきさでトップ娘役の重責を果たす。真彩演じるマリー=アンヌは、主要な登場人物の中で唯一のオリジナルヒロインだ。革命により家族を失った彼女は復讐のためロベスピエールに近づく。その激しい憎しみが次第に愛に変わっていくさまを、説得力を持って表現してみせた。

2人の最大の強みは、その抜群の歌唱力。デュエットのシーンは至福のひとときだ。この作品は、「THE SCARLET PIMPERNEL」などで知られる作曲家のフランク・ワイルドホーンが楽曲を提供しているが、2人が歌いこなすドラマチックなメロディーは聞き応え十分だ。

一枚岩ではない革命派の人々の思惑が、うごめきながら物語は進んでいく。彩風咲奈が男気あるダントンで一皮向けたところを見せ、この作品が卒業公演となった沙央くらまが、心優しきデムーランを演じる。ジロンド派の女王といわれたロラン夫人(彩凪翔)は、最期まで誇り高く、サン=ジュスト(朝美絢)が浮かべる氷の微笑みが、周囲の者を虜にする。固い絆で結ばれていたはずの同志たちの結束はあっけなく崩れ去り、主要人物が次々とギロチンの露と消えていく中、しぶとく生き残る者もいる。したたかに泳ぎ回るフーシェ(真那春人)らの一味、そして最後に勝ち組となるタレーラン(夏美よう)だ。実在の人物も多数登場するので、歴史好きな人にも興味深い一作となるだろう。

「SUPER VOYAGER!」

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

そして、同時上演の「SUPER VOYAGER!」は「希望の海へ」の副題どおり、新生雪組"望海号"の出航にふさわしい、はつらつとしたショーだ。大階段でマスゲームのように人文字で、いかりを形作る場面はタカラヅカならではのチームワークを感じさせる。ポンポンを振る客席参加の場面もこのショーのお楽しみで、舞台と客席が一体となって大いに盛り上がる。観ると思わず参加したくなってしまうだろう。

文=中本千晶

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放送情報

『ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』('18年雪組・東京・千秋楽)

放送日時:2018年11月11日(日)21:00~

『SUPER VOYAGER!』-希望の海へ-('18年雪組・東京・千秋楽)

放送日時:2018年11月11日(日)22:45~

チャンネル:TAKARAZUKA SKY STAGE

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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