2018年は森崎ウィンにとって特別な1年だったに違いない。4本もの出演映画が公開され、さらにドラマ、バラエティの出演も相次ぎ、お茶の間でもその姿を見かけるようになった。1990年生まれ、現在28歳というやや遅咲きの逸材がブレイクのきっかけを掴み、日本どころか一気に世界中に鮮烈な姿を見せつけたのが、昨年の4月20日に日本公開されたハリウッド大作『レディ・プレイヤー1』だ。
1月25日(金)にスターチャンネル1でテレビ初放送される本作は、巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督がアーネスト・クラインの小説「ゲームウォーズ」を映画化したSFアドベンチャー。仮想現実世界"オアシス"を舞台に、オアシスを創り上げた大富豪の亡き後、オアシスの運営権利と彼の遺産をめぐる冒険が繰り広げられる。
アニメやゲームなど、80年代ポップカルチャーへのオマージュが随所に散りばめられている本編には、「AKIRA」のバイクや「ストリートファイター」の春麗、ハローキティといった日本の作品も多数登場。そんな日本にも関わりが深い本作で、主要キャラクター・ダイトウ役にキャスティングされたのが森崎だった。
オーディションで役を勝ち取ったという森崎だが、その一因として考えられるのが語学力の高さ。他のアジアの国と比べて英語力が高いことで知られるミャンマーで、小学4年生まで育ち、自然な英語を身につけている彼は、スピルバーグ監督からも「発音が綺麗だ」と絶賛されたそう。また、オーディションでは英語のセリフを読んだ後に、スピルバーグ監督から同じセリフを日本語に訳して読むことを要求されたこともあったという。
さらに、ダイトウがお辞儀をするシーンでは、殺陣(たて)を習っていた経験から、刀を使ったお辞儀を森崎が自ら提案し、見事に採用された。ダイトウが放つ「俺はガンダムで行く」という劇中唯一の日本語の名セリフも、もともと脚本では英語だったものを森崎が考えた日本語のセリフに変更することになったという逸話まである。
このようにスピルバーグ監督からも絶大な信頼を寄せられていたようだが、流暢な英語と日本人らしい所作を見せた彼の堂々たる演技からは、それも納得せざるを得ない説得力が画面越しに伝わってくる。
クリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』(2006年)の二宮和也や、マーティン・スコセッシ監督作『沈黙 -サイレンス-』(2016年)の窪塚洋介など、大御所監督が手がけた作品にも日本人俳優たちが起用されてきたが、これらの作品はあくまで現実の物語がベースとなっている。その点、『レディ・プレイヤー1』というSF作品に日本人の森崎が出演していることは、また異なる意味を持つ。アカデミー賞を獲ることが夢だと公言している彼が、今後も日本だけでなく世界を股にかけて活躍することを期待したい!
文=HOMINIS編集部
放送情報
レディ・プレイヤー1
放送日時:2019年1月25日(金)21:00~
チャンネル:スターチャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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