『銀魂』シリーズの沖田総悟、『斉木楠雄のΨ難』(2017年)の海藤瞬、『BLEACH』(2018年)の石田雨竜、ほかにも『ママレード・ボーイ』(2018年)の松浦遊など様々なジャンルの漫画原作の映画に多く出演している吉沢亮。人気の高いコミックキャラクターを次々に演じ、その名を広く知られるようになった。本人もかなりの漫画好きで知られるだけに、キャラクターに"寄せて"全力でなりきる、原作ファンを裏切らない役づくりが好評だ。もともと、漫画から抜け出してきたような整った顔で目力も強く、一度見たら忘れられないキラキラ感に満ちている。
■冷酷でミステリアスな美しき殺し屋
そんな吉沢が主演したサスペンス・アクションドラマ「GIVER 復讐の贈与者」 (テレビ東京系列)がファミリー劇場で一挙放送される。こちらは漫画原作ではないが、同名小説(角川文庫)のドラマ化。吉沢演じる義波(ギバ)はある組織に属し、例えば「家族を死なせた犯人を代わりに殺してほしい」というような復讐の依頼を受け、ターゲットを抹殺する。いわば現代版・必殺仕事人といったところで、義波には人間らしい感情がなく、テイカーと呼ばれる少女(森川葵)から指示されるままに人の命を奪っていく。
吉沢は冷酷な殺し屋である表情のない顔と普通の人間を装うときの朗らかな顔を使い分け、義波というミステリアスな男を体現。運動神経も良いだけにアクションでもキレの良い動きを見せる。
地上波初放送時は深夜番組として制作されたということもあり、義波がナイフを使って最小限の動きですばやく相手を仕留めようとする場面は、リアルで生々しい。少年漫画や少女漫画とは違うダークな世界観を美形オーラのある外見が一層引き立てている。『銀魂』の沖田総悟もそうだが、王子様ルックスのキラキラしたイケメンがどのキャラクターよりも凶暴という"ありえない"設定を、実写で"ありえる"ことにしたとき、吉沢の持つ魅力がいかんなく発揮されるようだ。
■エリート会社員からキングまで様々な役を演じわけ!
それを見るのも楽しいが、現在、俳優としての吉沢亮は次のステージに進みつつあるようだ。「サバイバル・ウエディング」(日本テレビ系列)では、波瑠演じるヒロインと結婚するかと思われたエリート会社員をただのイケメンではないリアリティを持って演じ、映画最新作『キングダム』では奴隷の身分から立身出世を願う情熱的な漂と、帝王として重い宿命を背負う嬴政。その2役を生身の人間として見事に演じ分けている。さらに、朝の連続テレビ小説「なつぞら」(NHK総合)ではヒロインのあこがれの人である天陽役。今まさにブレイクしつつある若手俳優の軌跡のひとつとして「GIVER 復讐の贈与者」は外せないドラマになっている。
文=小田慶子
放送情報
【サタデーナイトMAX】 <裏稼業ドラマ特集~逃げて、怨んで、復讐して~> GIVER復讐の贈与者
放送日時:2019年4月13日(土)22:00~(#1~6放送)
2019年4月20日(土)22:10~(#7~12放送)
チャンネル:ファミリー劇場
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