田中圭の豹変ぶりも話題に！「あなたの番です」ブームが起こった理由

2019年4月より2クール連続で放送された「あなたの番です」(日本テレビ系)が早くもCS初登場。日テレプラスで1月2日(木)10時より一挙放送される。

最終話で視聴率19.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークし、2015年4月から始まった日曜ドラマ枠の最高視聴率記録を更新した「あなたの番です」。秋元康が企画・原案を手掛け、キャストには田中圭と原田知世のほか、西野七瀬や横浜流星など今をときめく豪華俳優陣が名を連ねている。

物語の舞台は、手塚翔太(田中)と手塚菜奈(原田)の新婚夫婦が引っ越してきた、とあるマンション。

幸せな新婚生活を夢見る2人の思いとは裏腹に、ひょんなことからマンションで行われる交換殺人ゲームに巻き込まれてしまう。第1話から第10話の第1章では、キャッチコピーの「毎週、死にます。」の通り、マンションの住人が次々と衝撃的な死を迎える中、第10話ではついに菜奈が交換殺人の被害者になってしまう。

そして、第11話から第20話は「第2章・反撃編」と称して、最愛の妻である菜奈を殺害された翔太が、その怒りと悲しみを胸に事件の真相を明らかにする復讐劇を描いている。

半年間にわたって続いたノンストップ・ミステリー作品だが、第1章でインパクト大の連続殺人事件を描き、第2章を解決編とする2部構成にしたことで、長編ドラマにありがちなストーリーのダレを防いでいる。この工夫によって飽きさせるどころか、むしろ話が進むに連れてどんどん視聴者を引き込んでいったのは、うなぎ上りの視聴率を見ても明らかだろう。

また、本作が高視聴率をマークした背景として、SNSで起こった犯人探しの加熱ぶりは見逃せない。近年は若者を中心に「人狼ゲーム」がブームになっているように、考察物は時代背景に即した一種のトレンドといえる。各話で少しずつ謎を明らかにしていくことで視聴者の考察に拍車をかけ、SNSでの議論も盛り上がり拡散されていく。いわば「あなたの番です」は"視聴者参加型"のドラマであり、そのブームはSNSが作り上げたと表現して差し支えないだろう。このあたりは、さすが機を見るに敏な秋元康だ。

一方で、主演の田中が見せる役柄の変化も面白い。第1章では能天気&甘えん坊ぶりを見せたが、第2章では菜奈の殺害をきっかけにその雰囲気が一変し、事件解明に向けて鬼気迫る狂気じみた翔太を熱演。その豹変ぶりは放送当時、"翔太黒幕説"が流れるほどで、人はここまで変わるのかと視聴者を驚かせている。

新年の幕開けはミステリードラマに没頭しながら過ごしてみてはいかがだろうか。

文＝安藤康之

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