田中圭ら出演「あなたの番です」に西野七瀬&横浜流星が与えたもの

写真左から原田知世、田中圭(「あなたの番です」より)
写真左から原田知世、田中圭(「あなたの番です」より)

乃木坂46卒業後、多数のドラマやCM、バラエティー、雑誌と広く活躍している西野七瀬。また、「初めて恋した日に読む話」(TBS系)で一躍話題となり、映画、ドラマ、CMなど、見ない日はないほどブレークしている横浜流星。

そんな2人が他の作品では見られない役者としての魅力を発揮している作品が、2019年の話題作、田中圭&原田知世主演の「あなたの番です」(NTV系)だ。本作が、日テレプラスで1月2日(木)10時より一挙放送される。

同作品は、田中圭と原田知世演じる年の差婚の新婚夫婦が、引っ越し先のマンションの住民会で行われた「交換殺人ゲーム」に巻き込まれる姿を描いたミステリードラマ。

「第1章」「第2章『反撃編』」として、近年には珍しく2クール連続で半年間にわたって放送され、住民を演じる俳優陣の"怪演"、菜奈(原田)の抱えていた秘密、「第1章」のラストで主要キャストである菜奈が殺される衝撃の展開、「第2章」から登場する二階堂(横浜)、南(田中哲司)の新キャスト、ラストで明かされる驚きの犯人の正体など、ストーリーが展開していくにつれSNSを中心に大きなブームを巻き起こした。

写真左から横浜流星、西野七瀬(「あなたの番です」より)

(C)NTV

視聴者を飽きさせない驚きの連続で構成されたストーリーもさることながら、ベテラン俳優陣の中でも色褪せない芝居で作品を彩ったのが、西野七瀬と横浜流星が表現した"キャラクターの変貌ぶり"だろう。

西野は、翔太(田中圭)と菜奈が引っ越してきたマンションに暮らす女子大学生・黒島沙和を演じており、「交換殺人ゲーム」が始まると2人の犯人捜しに協力する役どころ。物語の初めのうちはいつも体のどこかをけがしており、暗い印象でいかにも怪しい雰囲気をまとっている。いつの間にかけがをしなくなり口数も増えて、翔太たちと行動を共にしていくのだが、そのキャラクター設定の移り変わりがなだらかで気付くことが難しい。もちろん変わった印象は受けるが、いつをきっかけに変わったのかが分かりづらく、"翔太らに気を許し始めたから"とも思えるほどなのだ。

ドラマはストーリーの順番に合わせて撮影することは稀で、ほとんど時間軸は無視して撮影されるため、この流れるような変化を表現するために西野がどれだけ役を作り込んでいたかが想像に難くない。

一方、「反撃編」から登場する横浜は、翔太に無理やり犯人捜しの協力を頼まれ、嫌々ながらも協力していくという大学院生・二階堂を熱演。連続殺人が起こったマンションに大学が近いからという単純な理由で引っ越してきた二階堂は、自身が携わるAIの研究にしか興味がなく、コミュニケーション能力が低くて他人の匂いが苦手という変わった人物。

横浜は、そんな二階堂が翔太によって人の温かさに触れ、黒島との出会いで恋心を覚えるなど、"人間らしさ"を獲得していく姿を繊細に表現。初めてのことに驚き戸惑う姿や、これまで避けてきたものに嫌々ながら向き合う事で見えた発見など、二階堂の成長を丁寧に演じ切っている。

ジェットコースターのような衝撃展開を見せる作品の中で、2人が表現した"変貌ぶり"は、まさに"1人の人間"を見事に表しており作品に生気を与えている。次々と殺人が発生していく非日常の展開に、現実感をもたらしているのは役者陣が表現する"人間味"に他ならない。だからこそ物語に引き込まれ次の展開が早く見たくなる。

現在、飛ぶ鳥を落とす勢いの若手俳優2人が作品に与えた"人間味"を、キャラクターの"変貌ぶり"の観点から観ていただきたい。そうすればラストの大どんでん返しも大いに堪能できるだろう。さらに、ここでは書けないが、クライマックスで描かれる沙和と二階堂の"さらなる変貌ぶり"にも注目。2人の演技力の高さに、気持ちよく裏切られること請け合いだ。

文=原田健

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放送情報

あなたの番です 一挙放送
放送日時:2020年1月2日(木)10:00~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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