イ・スンギほか韓流の"今年の顔"は？韓国地上波3局「演技大賞」受賞予想

毎年、韓国ではあらゆる分野で一年を総括するアワードが年末に開催される。音楽分野のアワードと並んで注目を集めるのが、ドラマの作品や出演した俳優、製作スタッフらに賞が与えられる「演技大賞」だ。

毎年MBC、KBS、SBSの地上波3局それぞれで行われ、局ごとにドラマで活躍した旬の俳優たちが一堂に会すこのイベント。優秀だった俳優に与えられる大賞や若手俳優の貢献を称える新人賞、ドラマの中でお似合いだったカップルをネットユーザーが選ぶベストカップル賞など、様々な賞が用意されている。今回は各局の2019年ドラマ作品を振り返りつつ、筆者の独断と偏見による受賞予想をしてみたい。

■2019 MBC演技大賞

銀行マンが組織の腐敗を暴く社会派ドラマ「ザ・バンカー(原題)」や、雇用労働部(日本の労働基準監督署)を舞台にした痛快コメディ「特別労働監督官チョ・ジャンプン(原題)」など、韓国の世相を反映するようなドラマがヒットを飛ばしたMBC。やはり注目は、柔道選手出身の公務員チョ・ジンガプを演じるために10kgの増量をして役に挑んだキム・ドンウク。チョ・ジャンプン(＝波動拳)というあだ名がつくほどの熱血男ジンガブは、視聴者にも愛されたキャラクターだっただけに期待が持てる。

MBCはこの他に幼なじみとの切ない愛を描くラブロマンス「黄金の庭(原題)」、"絶対色覚"を持つヒロインと、"モノクロ"の世界に生きる男性ピアニストとのラブストーリー「ヨンワン様のご加護(原題))」、野島伸司脚本の「美しい人」をリメイクした「悲しいとき愛する(原題)」といった珠玉のラブロマンスも揃い、賞レースは混戦模様だ。

■2019 KBS演技大賞

チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)がベテラン詐欺師に扮した「国民のみなさん(原題)」や、チャン・ドンユンが女装して未亡人の村に潜入する「朝鮮ロコ－ノクドゥ伝」、ヨン・ウジンが怪しい音痴男を演じた「君の歌を聴かせて(原題)」など若手俳優の軽妙な演技が光る作品が多くノミネートされたKBS。

「国民のみなさん(原題)」は放送終了時に、シウォンが「僕にとって人生最高のドラマ。常に同じ気持ちで最善を尽くすけれど、この作品はいろいろ意味深かった」とコメント。シウォンにとって思い入れのある作品で今回初の受賞となるか注目したい。対抗馬にはパク・シニャンが庶民派弁護士役を演じた人気リーガルドラマの第2弾「町の弁護士チョ・ドゥルホ2」や、"魔法の香水"で新たな人生を生きる中年女性の恋を描く「パフューム(原題)」も名乗りを上げている。

■2019 SBS演技大賞

チョン・イル除隊後初のドラマ作品となった「ヘチ(原題)」や、チソンが12年ぶりにドクターを演じ注目を集めた「医師ヨハン(原題)」など話題作を多く輩出したSBS。今回受賞が濃厚と言われるのはキム・ナムギルが元特殊要員で、過去のトラウマから怒りを抑えられないクセ者司祭を熱演した「熱血司祭(原題)」だ。ナムギルが白目を剥いてキレまくる演技や、体当たりのド派手なアクションが痛快な「熱血司祭(原題)」は、最高視聴率22％を記録する大ヒットに。放送終了後も視聴者から続編化の希望が多く寄せられたこの作品で、大賞に輝くのか...しっかりと見届けたい。

また、韓国の"お茶の間"を沸かせたMCやコメディアンが多数集結する「芸能大賞」も、「演技大賞」や「歌謡祭」に並ぶ年末3大イベントの一つ。その中で、俳優ながら昨年「2018 SBS芸能大賞」で大賞に輝いたのが、「イ・スンギのチプサブイルチェ～師匠に弟子入り」のイ・スンギだ。今年は海外でも好評だった主演ドラマ「バガボンド」が、「2019 SBS演技大賞」に選出されているが、"俳優"で賞を取るのか、"バラエティ"で再び受賞となるのか。こちらも目が離せなさそうだ。

2019年の韓国ドラマ界を盛り上げた俳優たちが揃う「演技大賞」。彼らの華やかな衣装にも注目しつつ、賞レースの行方を見守りたい。

文＝津金美雪

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