うだつのあがらない中年コンビが有名茶器を巡りだまし合いを繰り広げる映画『嘘八百』シリーズ。第2弾『嘘八百 京町ロワイヤル』の2020年1月31日(金)公開を記念して、同日に第1作の『嘘八百』が映画・チャンネルNECOで放送される。
目利きだが大物狙いの古美術商・小池則夫を中井貴一、くすぶっている腕利きの陶芸家・野田佐輔を佐々木蔵之介、第2弾より登場する謎の美女・橘志野を広末涼子が演じる。今回、メインキャスト3人に撮影裏話や今作の魅力を伺った。
――共演経験などはありますが、お互いの印象はいかがですか?
中井「蔵之介くんとはすごくやりやすく、人として一緒にいるのがラクなんですよ。演技はキャッチボールなところもあるので、安心して則夫になれました」
佐々木「貴一さんは年上ということもあり、全てをゆだねて演技をしても受け止めてくれる懐の深さがあるので最高に居心地がいい。またバディが組めてうれしかったです」
広末「今回ご一緒させていただき、お2人のテンポ感に驚きました。迷いがなくて小気味いいんです」
――中井さんは古美術商、佐々木さんは陶芸家を演じられましたが、役作りで気付いたことは?
中井「みなさん、昔の瀬戸物のかけらをずっと持っていて、手触りを覚えて実際の陶器を比べて判断するらしいんですよ。人間の指先を信じて覚える...。すごくアナログな世界で面白いなと思いました」
佐々木「陶芸家に見えなければいけないので練習しました。映画では蹴ろくろを使用しているんですが、体全体で器を作っていくのは面白かったです。まぁ武監督がプロフェッショナルを求める方なので、それなりに大変でしたけど(笑)」
広末「撮影に迷いがなかったですもんね。いかに本物に見えるか、私も茶道のシーンに向けて、ホテルの部屋にこもってけっこう練習を重ねました」
中井「この作品は前作も今作もすごく短い期間で撮影しているんですが、それが逆にいい効果を出しているような気がしていて...。みんなが必死にもがいて動いてセリフを言う。現場に漂うどこか緊張した雰囲気がスパイスとなり、この作品にピッタリ合ったんだと思います」
佐々木「それは、木下ほうかさん演じるマスターや、坂田利夫さん演じるよっちゃんがいる居酒屋のシーンでも同じで。カットがかかるまでみんなで必死にセリフをつないでいきましたから(笑)」
中井「でもそれがいい味になっている」
広末「それぞれがセリフを言うのではなく、みんなで一丸となって作っている感じが面白かったです」
――今作はクスリと笑えて、あっと驚くようなどんでん返しが待っていますね。
広末「この作品の魅力は何と言っても全体的に漂う大人なセンス。音楽や演出など見終ったときに何とも言えないぜいたく感と満足感を味わせてくれます。"大人のエンタメ"という感じですね」
中井「骨董をテーマにしていることも大きいかもしれません。骨董というのは、遠い昔に作られたものが今この時代に存在していることに対して思いを馳せるロマンがあるもの。そこに何も感じない人にとっては1円の価値もないんですよ。そんなロマン漂う感じが大人の視聴者にピッタリな気がします」
佐々木「ちょっとした知的好奇心を満たしてくれるところもありますよね。歴史的な背景に惹きつけられます」
中井「ちなみによく誤解されているんですが、僕の役は詐欺師ではないんです。ロマンを売りにしている人物というか...(笑)」
佐々木「僕も贋作を作っているのではなく、写しを作っている陶芸家です」
中井「2人とも悪ではないんですよ。そんなすごくグレーな2人が組んだらシロになるのかそれともクロになるのか...。そういう組み合わせの妙がこの作品の面白さにつながっていると思います」
佐々木「ちょうど1月に放送&公開されるので、初笑いにピッタリ。2人のやり取りと周りのドタバタを見てほしいです」
広末「気負わず見られるし、見ていても疲れない。新年がパッと明るくなる爽快痛快コメディなので楽しんでください!」
撮影=カノウリョウマ 取材・文=玉置晴子
スタイリスト=勝見宜人(Koa Hole)(佐々木蔵之介) 道端亜未(広末涼子)
ヘアメーク=藤井俊二(中井貴一) 西岡達也(ラインヴァント) (佐々木) 山下景子(KOHL)(広末)
放送情報
嘘八百
放送日時:2020年1月31日(金)21:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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