両親は柄本明と角替和枝、弟は柄本時生という俳優一家に生まれ育ち、これまた芸能一家育ちの安藤サクラを妻に持つ柄本佑。2001年にオーディションで役を掴みデビューを飾った映画『美しい夏キリシマ』以降、これまでアクの強い役で抜群の存在感を発揮してきた。
■「知らなくていいコト」の"イケメン"すぎる尾高役に視線が集中!
これまで高い演技力が評価されてきた柄本も現在33歳。近年は怪演もさることながら、"俳優としての色気"に大きな注目が集まっている。例えば、2020年1月期のドラマ「知らなくていいコト」(日本テレビ系)で演じた、吉高由里子演じる主人公・ケイトの元カレのカメラマン・尾高役。ケイトが殺人犯の娘であることを知りながら、傷つく彼女を優しく慰める尾高への人気ぶりが、回を重ねるごとに過熱していった。特に、視聴者を悶絶させたのが、ケイトに突然仕掛けた強引な"車中キス"シーン。ただ優しいだけではない、男らしさと包容力あふれる姿には、「イケメン論争」が沸き起こるなどお茶の間をざわつかせた。
また、夭折の天才作家・佐藤泰志の小説を映画化し、当てもなく日々を過ごす若者たちのひと夏を描いた『きみの鳥はうたえる』(2018年)では、自堕落な主人公の"僕"を、どこかアンニュイな魅力を漂わせるような演技で体現し、数々の映画賞を受賞。『火口のふたり』(2019年)でも、元恋人との数年ぶりの再会をきっかけに、性の衝動から抜け出せなくなる男を、激しい濡場と共に体当たりで演じてみせた。
■前田敦子扮する妻がいながら浮気も...!?スキャンダラスな編集者役を熱演!
カリスマ雑誌編集長として知られる末井昭の波瀾万丈を映画化した、5月28日(木)深夜にWOWOWシネマにて放送される『素敵なダイナマイトスキャンダル』(2018年)では、末井役でこれまたどこかクセになる姿を柄本は見せつけている。
母親をダイナマイト自殺で失うという壮絶な過去を背負う末井が、田舎を飛び出し、工場やデザインの仕事など職を転々とする中でエロ雑誌「ウイークエンド・スーパー」「写真時代」を生み出していく姿を描いた本作。柄本は野心を秘めた末井のキャラクターを、飄々としたユーモラスな表情で巧みに表現している。
前田敦子演じる妻・牧子がいながら、三浦透子演じる編集部の笛子と浮気したり、自分の好きなように生きるスキャンダラスでダメな男だが、どこかチャーミングな振る舞いによって、"憎めない人物"として説得力を持たせた。また、エロ雑誌の編集長の半生が題材ということで、女装シーンなどのハッチャけた場面も多いが、不思議と人間的な魅力が際立っており、意外といやらしさなく興味深い人間模様として楽しめる作品となっているのだ。
どんなキャラクターであろうと、その人物に潜む本質的な魅力を見出し、昇華させることができる...それが俳優・柄本佑の真骨頂だ。彼が持つ生来の色気は、これからも年齢を重ねていく中で役と溶け込み、また新たなハマり役を生み出してくれるのではないだろうか。
文=HOMINIS編集部
放送情報
素敵なダイナマイトスキャンダル
放送日時:2020年5月29日(金)0:40~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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