人妻でもある女性脚本家の生き方と官能的な描写が話題となったドラマが水川あさみ主演の「連続ドラマW ダブル・ファンタジー #1~5 (全5話)」(2018年)が、6月5日(金) シネフィルWOWOWにて一挙放送される。
原作は第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞、文学賞をトリプル受賞した村山由佳の同名小説。自分の人生が息苦しくなった35才の高遠奈津(水川あさみ)が、家を飛び出して本能のままに数々の男たちと関係を重ねるという物語に、不倫相手の1人として田中圭が出演。「色気、半端ない」、「話し方がかわいいのにエロい」と女子をキュンキュンさせた。「おっさんずラブ」シリーズ(テレビ朝日系)で大ブレイクした田中圭が見せるセクシーな魅力、そして、本ドラマの見どころとは?
■優しくてずるい?田中圭が妻子持ちの男性を好演
母親(多岐川裕美)に生き方を押しつけられ、TV局のディレクターだった夫(現在は主夫)に世話を焼かれる日常の中、人気脚本家として多忙な毎日を送るヒロイン・奈津は、尊敬していた舞台演出家・志澤(村上弘明)と関係を持ったことによって自分の中に押し込めていた欲望をハッキリと自覚するようになる。
そんな中、出会ったのが学生時代の演劇仲間で、いまは新聞記者として活躍している岩井先輩(田中圭)だ。男のフェロモン満載のサディスティックな志澤に対して岩井は奈津の話をじっくり聞き、葛藤を包み込む対照的なタイプ。"なぜ、そんなに優しいの?"という問いかけに"僕とあなたは愛人である前に親友じゃないですか?"と答え、奈津は足りないものを埋めていくように快楽に溺れていく。奈津を後ろから抱きしめる場面や刺激的なシーンも多く、ふんわりしたムードから想像できない大胆さにファンはギャップ萌え。優しさの裏に見え隠れする家庭と恋愛のバランスをとるずるさも主人公をさらなる快楽に走らせることになる。
■さまざまなタイプの男性はヒロインをどう変えるのか
妻に尽くし、翻弄される夫(眞島秀和)、奔放さを知りながらストレートに愛を告白する舞台役者(栁俊太郎)。奈津のまわりにはさまざまなタイプの男性が登場する。母や夫の支配から逃れて、1人の女性として自立するためにもがき、タイトル「ダブル・ファンタジー」につながる結論を導き出していく奈津。
母や夫の言うことに従い、優等生として生きてきた女性のタガがはずれたとき、どうなってしまうのか? その結末が知りたくて吸いこまれるように見入ってしまうのも本作の醍醐味の1つ。衝撃的な不倫ドラマとして注目を集めた一方、自由を求めたひとりの女性の生き方を文学的な台詞をまじえて描き、主人公と同世代の女性を中心に支持を得た秘密がストーリーの中に隠されている。
文=山本弘子
放送情報
連続ドラマW ダブル・ファンタジー #1~5 (全5話)
放送日時:2020年6月5日(金)21:00~
チャンネル:シネフィルWOWOW
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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