阿部寛が「ヘンリー八世」を回顧「吉田鋼太郎さん演出で"苦悩する王"が完成した」

阿部寛
阿部寛

2020年2月14日~27日、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場で上演されたシェイクスピア原作の歴史劇「ヘンリー八世」が、7月4日(土)衛星劇場にて放送される。この作品で阿部寛が英国王室史上、最もスキャンダラスな王と呼ばれるヘンリー八世を演じた。「シンベリン」「ジュリアス・シーザー」の舞台に出演してきた彼は「シェイクスピア作品で演じたい役が山ほどある」という。

「今まで経験してきた役はどちらかと言うと受け身の人物でしたが、ヘンリー八世はめちゃくちゃな人間なので、どうとでも演じられるやりがいを感じました。この戯曲は、何百年にもわたり海外で上演されてきましたが、ヘンリー八世の内面があまり描かれていないため、評価されてこなかった。唯一、'69年にトレヴァー・ナン演出 で"苦悩する王"として描かれた作品が評価されたくらい。だから、今回は"苦悩する王"を意識しました。ともすれば"暴君"になってしまうのでね」

「ヘンリー八世」を演じる阿部寛と吉田鋼太郎

舞台写真 撮影:渡部孝弘

俳優・吉田鋼太郎さんが、蜷川幸雄さんの意志を引き継いで演出した。

「以前から鋼太郎さんのシェイクスピアの演出を受けてみたいと思っていました。稽古場は蜷川さんと同様に非常に張り詰めていて、みんなが100%を出し切って向かい合い、非常に充実した現場で楽しかった。蜷川さんには言えなかったことも鋼太郎さんには相談できましたし。もちろんぶつかるところもありましたが、今では演出家が正しかったと思っています(笑)」

策略をめぐらす枢機卿・ウルジーを吉田鋼太郎、王の腹心である大司教のトマス・クランマーを金子大地、苦悩する王妃・キャサリンを宮本裕子が個性的に演じた。

「鋼太郎さんのウルジーは人間のいろんな面が出て面白かった。特に破滅していくところは思い存分演じられていて...。ただこのシーンが完成したのは、本番に入ってから。全体演出も手掛けられていたこともあり、自分のシーンは誰よりも遅くなっていたんです。その中で、演出しながらすべてのバランスを取って作品を仕上げていくのは、経験がなせる技だと思いました。ちなみに、クランマーの登場場面は、金子くんの若々しさを鋼太郎さんがコミカルに演出し、力の抜けた楽しいものになりました。個人的に好きなのは、キャサリンが男子を産めず自分のおなかを叩くシーン。宮本さんの鬼気迫る演技が素晴らしい。テレビだと繊細な部分の芝居もはっきり分かるので、見逃さないようにしてください」

あべ・ひろし●'64年6月22日生まれ、神奈川県出身。映画やドラマに多数出演。舞台出演は'14年の蜷川幸雄演出のシェイクスピア作品「ジュリアス・シーザー」以来。夏スタートの「ドラゴン桜2(仮)」(TBS系)など出演作が多数控える。

撮影=HIRO KIMURA 取材・文=玉置晴子

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放送情報

彩の国シェイクスピア・ シリーズ第35弾 『ヘンリー八世』
放送日時:2020年7月4日(土)19:00~
チャンネル:衛星劇場
エヴェレスト 神々の山嶺
放送日時:2020年7月7日(火)21:40~
チャンネル:日本映画専門チャンネル
麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜
放送日時:2020年7月9日(木)18:35~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
祈りの幕が下りる時
放送日時:2020年7月9日(木)21:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO

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