2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中の人々の生活や、働く環境が大きく変化してきている。新しい生活様式が浸透していく中で、新しい気づきを得たり、今までにはなかった価値観が生まれたり、あるいは、変わらず大切なことに気付いたりした方は多いのではないだろうか。それに付随して、働き方を見つめ直し、仕事への意識や求めることが変化した方も多い。
Indeedの特別CMでは、2020年に入って多くの人が考えたり感じたりした気づきや変化を改めてまとめられている。2017 年から Indeed の CM キャラクターを務める斎藤工にインタビューを行い、今の状況から生まれた心境を語ってもらった。
――ニューノーマルの時代にあって、斎藤さんはどうアップデートしていこうと考えていますか?
「今の"コロナ渦"というものが、甚大な被害があるものでもあるので、とても肯定はできないんですけど、人が『深く』、『進む』という両方の意味で『進化』する、僕らの様式がアップデートされる時なんじゃないかなと思います。いつまでがウィズコロナという時期なのかっていう見通しもついていないですけど、今はいろんなものがアップデートするべきタイミングだと思うですよね。いろんな人と会いにくくなったり、いろんな当たり前が当たり前じゃなくなったっていう、ネガティブなポイントの方が目立つんですけど。でも、この状況だからできるっていうこともたくさん生まれているので、すべてにおいて新しい様式に僕らは向っていけるチャンスでもあるなという風に捉えるようにしています。」
――この自粛期間で何か新しい気付きや心境の変化などありましたか?
「必然的に自分(自分の本質)と向き合う時間が増えました。こういったパブリックな場所にいる自分も本当の自分だし、帰り道だったり自宅で一人の時やご家族と過ごす、プライベートな空間での自分っていうのも自分だと思うんですね。僕なんかは一人で生活してるので、その自分と向き合う時間が長くて。万物は光と影があったら、どうしても光ばかり見てしまうものなんですけど、ネガティブな意味じゃない影の部分と向き合う時間が増えました。その影の部分にこそある美しさにも、一つの何かがあるっていうことに僕は気付きました。」
「多くの人が自分の本質的に必要なもの...例えば、何かが起きた時に自分が連絡をした順番って残酷なくらい優先順位だと思うんですよ。もちろん、連絡をとらなくても想い合ってるというシンパシーはあるとは思うんですけど、着信履歴とかメールを送った順番とかっていうのが、大切な人の順番で。この状況で僕はものすごく大勢に向けて発信できていなかったし、だけど自分に本当に必要なものや必要な人たちっていうものが、すごく色濃くなった期間だなと思いましたね。」
「人に会えない、人と引きはがすっていうのが最大のこの疫病の特徴だと思うんですよね。それに対して僕らはオンラインっていう人間の英知の結晶で、直接会わずともコミュニケーションがとれるという手段をどう生かすかっていうことに僕はシフトしました。もちろん、使いこなすことできないことを考えると昭和生まれのアナログ感覚の人間ではあるんですけど、直接会わずともコミュニケーションはとれるツールがあるっていうことを受け入れる。それをどう生かすかっていうことが、本当の意味でこの未曽有の事態に対して僕らが対峙するという意味になるんじゃないかなと思ったので、オンラインを通じてできることっていうものをとにかく探しました。」
「その実験的でもあるんですけど、映画をオンラインやリモートを使って作ってみたり、実際に会えないからこそ連絡を取ったり、オンライン上で集まってみたり、やっぱりオンラインだと複数いても一つの議題でコミュニケーションが取れたり、普段オンラインじゃなかったら、この集団の中でこの人とはこんなに面と向かって対話しなかったなっていう人とも対話したり、オンラインが与えてくれたものが思いのほかありましたね。オフライン派ではあるんですけど、オンラインっていう一つの手段を僕らは意識してアップデート...新しい様式に向かうべきなのかなっていうのは、エンタメ業界だから余計思ったのかもしれないです。」
――リモートなど新しい働き方を始めて気付いた事はありますか?
「僕の職業的には、撮影のスタイルの中で"衛生部"という部署が新しくできたり、機材の進化というので、劇場に耐えうる画質でスマートフォンで撮影することができる...そういった事実があったり。」
「自分は映像をリモートで作ることが多かったですね。SNSがとても苦手だったんですけど、Instagramをはじめました。Instagramを始めた理由としては、ミニシアターというか劇場やライブハウスが非常に大変な状況にあると、もちろん、すべての職種の方たちが危機的状況にあると思うんですけど、そんな中オンラインを通じて、劇場が今、客席がソーシャルディスタンスで一席空いて満席でも半分の実入りであるっていうような状況で、オンラインイベントでその空席を補えないかということを役者主動でできないかって。インスタライブというかYouTubeライブとかLINEライブとかいろんな発信の仕方はあると思うんですけど、Instagramっていうものが一番僕の中では、すごくポジティブなメディアだなと思ってます。その可動域っていうのはすごく実感してますね。」
「これはSNSだけじゃないんですけど、いろんな新しいことに向かう時に慎重になることは大事だとは思います。しかし、慎重になりすぎることによって結局足が動かないことが僕は多かったんですね。だけど、今はこの状況だし、オンラインを通じて動くということを優先して、自分の得手不得手ということ以上にオンラインの可能性、SNSっていうものを信用して、Instagramを始めました。このコロナ渦がなかったら確実にやっていなかったことっていうのが、それもある意味アップデート...自分なりの新しい時代に向かう一つの考えなのかなと思ってます。」
――Indeedの新しいCM「ステイホーム編」で、泉さんと約1年ぶりの共演を果たしましたが、いかがでしたか?
「今までのシリーズを共に作ってきたという自負があるので、すごく阿吽みたいなものがありますね。15秒とか30秒とか短い時間に集約されるんですけど、蓄積してきたものがやっぱりあるなっていう感覚的なものなんですけど。漫才じゃないですけど、このタイミングで突っ込むみたいなことから、阿吽は感じましたね。単体だったり、別の人たちとっていうIndeedのCMの形状もあったんですけど、泉さんと撮影してるとIndeed感がすごかったです。」
――俳優という詩頃だけでなく、アーティストや映画監督という一面ももつ斎藤さんですが、これからのニューノーマルな時代において、どんな挑戦をしていきたいですか?
「状況に応じて変身していく、働き方も柔軟に自分の生かし方だったり、生活のためもだし、世間に対して世の中に自分っていうものを資本に何かを還元するっていうことって働くっていうところがベースだと思います。」
「僕も今までいろんな経験をさせてもらった中、10代20代っていうのは自分ファーストになってしまいがちで、自分至上主義という脳が働いてきてしまったところがあると思うんです。39歳になって、自分の経験を時として他人様に役立てられるかっていうフェーズに僕は来ているなって。個人的な年齢の積み重ねのタイミングと世の中で起きてることが今だから必ずしもってわけじゃないんですけど、でも何かできないかって。"I love me"の時期に捻出されるエネルギーに限界が見えたので、"誰かのために"っていうエネルギーの方が格段に広がりがあるっていうことに気付きました。例えば、プレゼントとかも自分のために何かを買うってこと以上に、誰かのためにあの人が喜ぶかなとか想像しながらプレゼントを選ぶっていう時間って、言語化できない感情っていうか、他者を思うってことで湧き出るエネルギーを使うターンだなって個人的には思っていて...。それがIndeedと今まで(CMで)やらせていただいていた変化していくというか、その季節だったり、その職業に合わせてどんどん変化していったり、時としてあるキャラクターとコラボレーションしたり、状況と自分を掛け合わせて誰かのためにっていうものが自分の生きる礎になっていくということが大げさじゃなくIndeedと歩んできた少なからず歴史があるってことがうれしくて。」
「先日、ビックコミックスに僕が登場したんです。登場人物が『○○の商店街を斎藤工が歩いてるよ』って言って、僕を知らないおばちゃんが僕を見て『あ、Indeedの人!』っていうシーンなんですよ。すごくありがたいことに僕っていう存在がIndeedと共存させてもらってる捉え方をしていただいているっていうの見て、それまでは"昼顔の人"とかだったんですけど、自分はそういう認識を少なからずしていただいているんだなっていうことが、とても感慨深かったですね。
僕の活動自体も見ていただけるとわかると思うんですけど、かなり定めていないというか、フレキシブルにフットワークは軽くという今の僕があります。Indeed のCMでも新しい時代に向かうべく、フィロソフィーみたいなものがあると思うんです。これから更に言葉を超えたきっかけみたいなものを提供できる作品をお届けできたらと思います。泉さんと共に。」
CM放送情報
「これからの、仕事さがしにサーチあれ」篇(60 秒、30 秒)
放送時期: 2020年9月1日〜放送中
企画制作:電通・電通クリエーティブ X
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