クリエイティブファースト!"齊藤工"名義の活動から見えてくる強いこだわり

"齊藤工"名義で映画監督やクリエイターとして活動する俳優・斎藤工。彼に400日間密着したドキュメンタリー「ノンフィクションW 齊藤工 DEAR FILMS...」が10月25日(日)にWOWOWプライムにて放送され、プロデューサーや監督などを務めた、独特の個性とセンスが詰まった作品も同日に特集される。

同特集では、齊藤と芸人・永野が企画・プロデュースしたブラックコメディ『MANRIKI』、齊藤の監督第1作『サクライロ』、クレイアニメ『映画の妖精 フィルとムー』、度を超えて加速し続ける"自主規制"にメスをいれた話題作『COMPLY+-ANCE コンプライアンス』など全6作品をラインナップ。これらを見れば、"ノンフィクションW"がさらに楽しめる内容となっている。

本特集の放送を前に、齊藤にロングインタビューが実施された。今回放送される6作品それぞれについて、製作の経緯、撮影中の出来事、そこにこめられたメッセージなどが語られている。このロングインタビューの映像は、各作品ごとに、毎週水曜・土曜日の18:00にWOWOWの本特集オフィシャルサイトにアップされている。

新型コロナウイルスに対する考えや、本特集への思いもコメントを寄せた齊藤。コロナ禍での映画については、「コロナ禍を経て映画における概念で一番変わったのは時間だと思っていて、僕もサブスクやYouTubeをザッピングしたりして、短く濃くというか、エスプレッソみたいに選択して、これ薄味だからいいやとか、長いからいいやとか。なんかこれよりもっと必要なものがあるんじゃないかっていう、激戦区になってきている気がするんですよ」と独自の考察をコメントした。

さらに「すべての映像作品が、より厳しい中でしのぎを削る時代に突入している気がして、これは僕はいいことだと思っていて、その分クリエイティブの感覚・価値観は上がらざるをえないですよね」と分析。一方で、日本の映画産業についても、「映画祭に行って思いましたけど、フランスとか韓国とか、観客のIQがすごく高いんですよね。文句言いながら映画観る人がいたりとか。そういう観客の意識を、企画段階でフィルムメーカーの製作陣がより強く意識するっていうことがすごく大事で。自分自身にも言えるんですけど、日本で映画を作る人たちは企画段階で、クリエイティブファーストというよりは、特にキャスティングとかで、この人のファンの人たちが見るだろうという産業的な発想で、損しないプロジェクトにしている映画が多いと思っているんですね。厳しい観客を設定して始まるものでなければ、日本の映画業界の進化はないのかなと思っています」という"意識"の部分を指摘する。

今回の特集については、「自分の時系列のようなラインナップですよね。今回の特集は僕を見続けるものではなくて、1つ1つクリエイティブファーストで作ったという自負のある作品ですし、当然僕が出ていないものもあるので、製作のプロセスを超えて、その作品単体がどれだけ見た方に対してエネルギーを持っているかを、厳しくジャッジしてほしいです」と語っている。

そして「僕が自分の作品を卑下するのはよくないですし、1個1個自信作です、というのは胸を張って言えます。これは僕の才能でもなんでもなくて、チーム編成のおかげです。映画を作るということは、自分なりのアベンジャーズを作ることなんですよね。時として誰かのアベンジャーズの1人になれる可能性を持っているのであれば、僕は協力させてもらうということなので。作品を見て何かを感じてもらうってことが本当にご褒美になりますので、ご覧いただけたら嬉しいです」と映画作りに対する想いも述べた。

齊藤工が"クリエイティブファースト"で製作したという数々の作品とそのこだわり――それらを語る言葉の端々からは、作品への深い考察ぶりが伝わってくる。そうした一連の作品群を踏まえながら、貴重な密着ドキュメンタリー"ノンフィクションW"での姿を見つめてみたい。

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放送情報

「ノンフィクションW 齊藤工 DEAR FILMS…」放送記念!クリエイター 齊藤工
放送日時:2020年10月25日(日)18:15〜
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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