俳優・香取慎吾の新境地!ノーメイク&無精ひげで挑んだ映画『凪待ち』

香取慎吾といえば、「慎吾ちゃん」の愛称で、数多くの人気バラエティー番組に出演。歌って踊れる人気アイドルとして絶大なる人気を博す一方で、アートの分野でも才能を発揮するなど、マルチに活躍してきた才人だ。

俳優としてのキャリアも長く、「ドク」「蘇える金狼」といったシリアス路線のドラマにも出演してきたが、ドラマ「西遊記」の孫悟空や「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の両津勘吉、映画『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』のハットリくんといった、バラエティー番組に通じる、親しみやすいキャラクターの印象が強い方も多いだろう。

「凪待ち」に出演した香取慎吾

(c) 2018「凪待ち」フィルムパートナーズ

そんな彼の"俳優としての新境地"として、話題となった作品が2019年公開の映画『凪待ち』だ。この作品が12月13日(日) スターチャンネル1にて放送される。香取演じる郁男は、ふらふらと生きてきた人生をやり直そうと、恋人の故郷である宮城県の石巻にやってくる。そこでの暮らしで、少しずつ平穏を取り戻していったかのように見えた郁男だが、やがて小さなほころびが積み重なり、取り返しのつかない事件が起きてしまう...。自堕落に生きてきた男がもがき苦しむさまを描き出した、喪失と再生の物語だ。

(c) 2018「凪待ち」フィルムパートナーズ

監督は『凶悪』『孤狼の血』の白石和彌。白石監督は、香取にエンターテイナーとしての魅力を感じつつも、それだけではない部分への興味も感じていたそうで、本作パンフレットのインタビューで「当然、同じ人間だからほの暗い部分もあるだろう。その部分も見てみたいという思いはありました」とコメント。その言葉通り、本作では"これまで見たことのない汚れた香取慎吾"の姿を映し出している。絶望と怒り、暴力に彩られた物語の中には、みんなが知っている「慎吾ちゃん」の姿はない。

(c) 2018「凪待ち」フィルムパートナーズ

自堕落に生きる郁男を演じるにあたり、香取はノーメイク、無精ひげで撮影に挑んだという。メイクをしないことが逆に、役者・香取慎吾としての心のスイッチを入れることにつながらず、素に近い部分が引き出されたそうだ。先述した本作パンフレットのインタビューでも、香取自身が「映画に映っている姿はもちろん、撮影の合間のショットとか、メイキングの映像だったりを見ると、自分でもあまり見たことのない表情をしているんです。あ、この人、役に入っていたんだなっていう感じがありますね」と語るなど、本作の役作りに手応えを感じていたようだ。

(c) 2018「凪待ち」フィルムパートナーズ

香取慎吾の"新たなはじまり"を感じさせるこの作品。注目である。

文=壬生智裕

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放送情報

凪待ち
放送日時:2020年12月13日(日)21:00~ほか
チャンネル:スターチャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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