"朝ドラ"と呼ばれ、朝の顔として定着しているNHK連続テレビ小説。ストーリー性もさることながら、近年では朝ドラ出演をきっかけにスターダムにのし上がる若手俳優が続出。若手俳優の登竜門としても注目されている。
そんな朝ドラだが、人気作にはある共通点が存在すると指摘されているのをご存知だろうか。例えば、タイトルの最後が"ん"で終わること、実在の人物の生涯を描いていることなどがそうである。いずれも過去作品を見比べてみれば確かにと納得する部分も多い。
ところが、そうした要素を全て省きながら、平均視聴率21%超えを記録(ビデオリサーチ関東地区視聴率調査)した作品がある。2018年度上半期に放送された「半分、青い。」だ。
脚本を担当したのは、「ロングバケーション」(フジテレビ系)や「ビューティフルライフ」(TBS系)、など数多くのヒット作を手がけ、"ラブストーリーの神様"と称される北川悦吏子。現在放送中の「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(日本テレビ系)の脚本も手掛けている。
物語のヒロインは、永野芽郁演じるちょっとうかつだけど失敗を恐れない楡野鈴愛(にれのすずめ)。小学生の時に病気で片耳の聴力をなくしているが、"何かを半分失っても、他のやり方で前に進めばいい"の精神で、七転び八起きで人生を駆け抜けていく。
ヒロインの鈴愛はもちろんだが、本作には欠かせないキープレイヤーがもう1人いる。それが、佐藤健が演じる萩尾律だ。
律は成績優秀で理論派だが、少し傷つきやすいところがある鈴愛の幼なじみ。「恋はつづくよどこまでも」での超ドSなドクターや『ひとよ』でのやさぐれたフリーライターなどさまざまな役柄を演じている佐藤だが、優しく母性本能がくすぐられるような律を演じる姿からは、役者としての振り幅の広さを改めて思い知らされる。佐藤は律の高校生時代から演じているが、作中で披露した20代最後の学生服姿は放送当時、大いに話題を呼んだ。
また、本作は佐藤にとってデビュー作「仮面ライダー電王」以来となる長期間撮影した作品であり、律の半生をほぼ1人で演じ切っている。それだけに思い入れも強いようで、2018年9月の記者会見では、「撮影期間が長ければ長いほど、自然と思い入れが強くなっちゃって。演者やスタッフとの別れもですが、律との別れが一番寂しかったです」と告白している。
そんな「半分、青い。」の見どころを凝縮した総集編が3月に女性チャンネル♪LaLa TVでCS初放送される。物語の行方とあわせて、佐藤の演技にも注目して楽しみたい。
文=安藤康之
放送情報
連続テレビ小説「半分、青い。」総集編(前編・後編)
放送日時(前編):2021年3月7日(日)21:30~ほか
放送日時(後編):2021年3月14日(日)21:30~ほか
チャンネル:女性チャンネル♪LaLa TV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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