松たか子と岩井俊二監督が、3月放送の「日曜邦画劇場」(日本映画専門チャンネル)に登場する。
同番組は毎週日曜の午後に話題の映画作品を放送しており、MCを務めるフジテレビ・軽部真一アナウンサーが作品にまつわるゲストを迎えて撮影秘話などを掘り下げていく対談も見どころだ。3月14日(日)は映画「ラストレター」(2020年)を放送し、松と岩井監督が映画にまつわる話を展開する。
今回、松と岩井監督に、撮影の裏話や同作への思い、共演者の印象などを語ってもらった。
――同作は松さんが初主演を務められた映画「四月物語」(1998年)以来の岩井監督とのタッグとなりました。撮影はいかがでしたか?
松「また声を掛けていただけたことは本当にうれしかったです。『私でいいのかな?』という思いもありながらも、魅力的な出演者の方が集まって、宮城で撮るということになって...と、どんどん良い方向に転がっていく流れに身を任せて、非常に幸せな夢のような時間を過ごさせていただきました」
岩井「撮影に臨むに当たって『四月物語』の松さんを意識したわけではなかったのですが、(松が演じた)裕里は『四月物語』の卯月というキャラクターと非常に近いものがあって、撮影中に『ずっと僕の中に在り続けているキャラクターで、つながっているんだな』と気付いた瞬間がありました」
――松さん演じる裕里が作品全体に明るい雰囲気を与えているように感じますが、どんな思いで演じられましたか?
松「あまり無理を感じずに演じられたキャラクターでした。うそをつく場面でもそんなにウェットに感じないといいますか、裕里の感情的にならずに必要以上に伝えようとしていないところが、明るさにつながっているのかもしれません。もしそうならとてもうれしいですね」
――姉の代わりに出席した同窓会で本人に間違われた裕里はそのまま姉のふりをしてしまいますが、ご自身の場合、同じ状況はあり得ますか?
松「ないですね。お芝居がバレちゃうから耐えられない!(笑)普段の生活で、うそをついたり、ごまかしたり、他人を驚かせるサプライズとかって、本当に下手なんです...」
――夫を演じた庵野秀明さんについては?
松「『庵野さんだったら、(裕里の初恋の相手を演じた)福山(雅治)さんと再会してドキドキしても家に戻れる』と妙に納得したのを覚えています。全然違うタイプなのにどこか似ているようにも感じて、安心して初恋の人に会いにいけるというか...(笑)。絶妙なキャスティングだなと」
岩井「庵野さんにお願いした理由は正にそこというか、激しい三角関係に突入していく感じがあまりないようにしておきたいという思いがあったので」
松「裕里が大声で怒られるシーンでは、『庵野さんって、こんなに大きな声が出るんだ』ってびっくりしました。お芝居をする方だと声を凝縮するような感じで大きな声を出すのですが、庵野さんは完全に振り切った大声で。『お芝居ってこうすればいいんだ』というようなテクニックを超えた感じがすごく新鮮で、すごく楽しかったです」
岩井「自分流の考え方で自分に演技を付けているという感じがあって、そこはお任せできて楽をさせてもらいました」
――裕里の初恋の相手である鏡史郎を演じた福山雅治さんについては?
松「ドラマ『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ系)以来だったのですが、当時はそれほどかかわる役ではなかったので、しっかりとお芝居で向き合うのは今作が初めてでした。緊張していたのですが、すごく前にお世話になったということもあってか、お兄さんのような不思議な安心感があって。言葉にするのは難しいのですが、音楽のリズムを探り合うような軽やかさがあって、詰まることなく会話をするシーンができたのがすごく印象的でした」
放送情報
【日曜邦画劇場】
ラストレター ゲスト:松たか子、岩井俊二監督(3月14日(日)、18日(木)放送回)
放送日時:2021年3月14日(日)21:00~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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