――夫が怒って裕里のスマホを水没させて壊したシーンは、手紙のやりとりが始まる重要なきっかけとして描かれていますよね。
岩井「実は、スマホが壊れてしまうという設定を思い付いてから、この話ができたんです。もともと、この時代に手紙を使った物語は作れないと思っていたので、スマホが壊れる状況を思い付いて『この入口から始めると作れるな』と。そこから『ラストレター』というタイトルにして物語を書いていきました。ただ、実際に水に落としたスマホは壊れるという確信はなかったのですが、撮影期間中にホテルのトイレに自分のスマホを落としてしまって...。本当に壊れました(苦笑)」
――作品をご覧になる方に向けて見どころをお願いします。
松「現在と過去が描かれていくのですが、(過去に当たる)思い出たちが本当にキラキラしていているんです!みんな悶々としているのに、そこがキラキラしている。自然の中で繰り広げられるその美しさをぜひ味わっていただきたいです」
岩井「コミュニケーション手段がスマホなどに変わっている中で、手紙という懐かしい通信手段がいかにチャーミングかというのを感じてもらいたいですね。僕自身、撮影しながら改めて感じたことでもありますので」
文=原田健
放送情報
【日曜邦画劇場】
ラストレター ゲスト:松たか子、岩井俊二監督(3月14日(日)、18日(木)放送回)
放送日時:2021年3月14日(日)21:00~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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