圧巻の歌唱力と情熱的なパフォーマンスで昭和のミュージックシーンを席巻したスーパースター・西城秀樹。一方で、映画やドラマなどにも数多く出演するなど名優としての顔も兼ね備えていた。今回は1980年代のヒデキ出演作の中から、未DVD化の作品をピックアップしたい。
まずは、1987年にTBSで放送された連続ドラマ「恋に恋して恋きぶん」だ。本作は西城の他に、ピンクレディーのMIE(未唯mie)や布施明といった豪華キャストが集結。ヒデキはオートサロン・ヤジマを経営する、今でいう青年実業家の矢島直人を演じた。
物語は、デザイナー・高桑万里を巡って、恋人である倉沢潤一と直人の三角関係を中心に、大人の恋愛事情を描いている。恋人同士の2人の間に割って入ろうとする直人は、万里の気を引くために彼女の名を冠したオリジナル商品を企画するなど積極的にアプローチ。あまりの大胆さにはじめは戸惑った万里だが、次第に男らしさを感じさせるところはさすがヒデキ。ステージ演出にも引けを取らない情熱的な演技は必見だ。
続いて、1988年に放送されたスペシャルドラマ「CAT'S EYE キャッツ・アイ ミッドナイトは恋のアバンチュール」。原作は北条司の大ヒット漫画で、喫茶「CAT'S EYE」を切り盛りする美人3姉妹が、実は世間を騒がす女怪盗・CAT'S EYEという痛快ラブアクションだ。
ここで西城が演じるのは、次女・来生瞳(早見優)の婚約者である刑事の内海俊夫。ともにアイドルとして活躍した2人が恋人役を演じるだけでも貴重なショットだが、作中ではなんとキスシーンも収められた。のちに早見は、西城から"初めてのキスシーン"と言われたエピソードを披露している。
そして、同じく1988年放送の「くねり坂」。うつみ宮土理の原作小説を実写化した本作は、女マッサージ師とヒデキ演じるプロ野球選手・桑本の愛が描かれている。ヒデキ×プロ野球選手と聞けば、つい1軍で華々しく活躍するスター選手を想像してしまうが、桑本は2軍でくすぶるピッチャーだ。しかし、今まさに這い上がろうと奮闘する姿からは、鬼気迫るものが伝わってくる。
最後は、1989年に直木賞作家の三好徹原作の「拐帯犯」を実写化した「持ち逃げ 私の愛・連れてって」。西城が演じた吾郎は、うだつの上がらない暮らしから抜け出したいと考えているT銀行の専属運転手。
ある時、そんな吾郎の気持ちを見透かすように、得意先から6,000万円の公金横領話が持ち掛けられ、その気になっていく。好青年のイメージが強い西城とは真逆のキャラクターだけに、役者としての器の大きさをうかがい知ることができる作品といえるだろう。
文=安藤康之
放送情報
持ち逃げ 私の愛・連れてって
放送日時:2021年5月2日(日)0:00~ほか
青年
放送日時:2021年5月8日(土)18:30~
CAT'S EYE キャッツ・アイ ミッドナイトは恋のアバンチュール
放送日時:2021年5月8日(土)20:30~
くねり坂
放送日時:2021年5月9日(日)20:30~
恋に恋して恋きぶん
放送日時:2021年5月16日(日)19:00~
風に吹かれて
放送日時:2021年5月29日(土)20:30~ほか
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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